「この仏教書を読め!! 大アンケート」補遺
サンガジャパン23号の「この仏教書を読め!! 大アンケート」に寄稿しました。「皆様にとって、重要な仏教書・大切な仏教書を、3冊ご紹介ください。」という質問に対して、
1池田魯参『宝慶記―道元の入宋求法ノート』大東出版社
2一遍『一遍上人語録 (岩波文庫 青 321-1)』岩波書店
3『南伝大蔵経 第17巻 増支部経典 1』大蔵出版社(オンデマンド版)
と答えました。自分が仏教と関わり、あるいは仏教書づくりに携わるうえで原動力になっている本、という観点からピックアップしました。コメントは誌面でご確認ください。【追記】:アンケート回答文をnoteに公開しました。
あとから考えると、自分が編集・制作に携わった本が一冊も入ってないなと思ったので、このブログには、自分が関わった本の中でのベスト3を挙げてみたいと思います。
上にあげた3冊は個人的な読書遍歴にちなんだものなので、「この仏教書を読め!!」とおススメしたい本といえば、以下の3冊になりますね。
1アルボムッレ・スマナサーラ『大念処経 (初期仏教経典解説シリーズ)』サンガ
ヴィパッサナー瞑想を総合的に解説した重要経典の解説本。自分はこの本を出すために仕事してきた、とゆうても過言ではないです。間違いなく、スマナサーラ長老の代表作になるでしょう。仏道修行の導きの書として、長く読まれてほしいです。
2ポー・オー・パユットー/野中耕一・訳『仏法』サンガ
タイの碩学パユットー師の代表作。訳者の故・野中先生から、私家版の『仏法』を献本いただき衝撃を受けた僕がこのブログで大騒ぎして、サンガさんにも大プッシュして一連の作品刊行に至ったことは、いま思い出しても胸が熱くなります。
3アルボムッレ・スマナサーラ『テーラワーダ仏教 「自ら確かめる」ブッダの教え』大法輪閣
初期仏教の入門書として一冊選ぶならこれですね。仏教雑誌として有名な月刊『大法輪』の連載をまとめた本です。五戒や四諦八正道からカーラーマ経まで、初期仏教のエッセンスが過不足なく説かれています。
というわけで、この3冊は買ってずっと手元に置いておく価値があると思います。
~生きとし生けるものが幸せでありますように~
大念処経(だいねんじょきょう)とは?
大念処経(だいねんじょきょう)とは?
大念処経(だいねんじょきょう Mahāsatipaṭṭhānasuttanta)はパーリ経典の長部(ディーガニカーヤ)の第22経です。クル国カンマーサダンマで比丘サンガに説かれました。長部で唯一、修道法を主題とした経であり、四念処の実践に関する様々な経説を網羅しています。
四念処とは身体(身)、感覚(受)、心、覚りに関わる真理(法)という四つの側面から念処(satipaṭṭhāna)即ち「気づきの確立」に至る修道であり、「涅槃を見るための一道」とされます。本経の総説にあたるフレーズ「ここに比丘は、身において身を観つづけ、熱心に、正知をそなえ、念をそなえ、世界における貪欲と憂いを除いて、住みます。諸々の受において……。諸々の心において……。諸々の法において……。」は、相応部大篇念処相応はじめ念処を説いた多数の経に共通します。
身念処は出息・入息、威儀、正知、厭逆(不浄)、要素(四大)観察、九墓地(死体)。受念処は9種の感覚。心念処は14種類の心。法念処は五蓋、 五蘊、十二処、 七覚支、 四諦に分けて説かれる。ブッダは結論として、四念処を熱心に七年乃至七日修習すれば現世で完全智(阿羅漢果)または不還果に至ると説きます。
本書は、この大念処経の全文をパーリ原典から紐解き、完全解説したものです。スマナサーラ長老のまえがきに、本書の特色が示されていますので、引用します。
衆生にとって、(こころの)清浄に達するための、愁い悲しみを乗り越えるための、苦しみと憂いが消えるための、正理を得、涅槃を目のあたりに見るための唯一の道である、『Mahāsatipaṭṭhānasutta(大念処経)』を読んで、理解してみましょう。原文を読んで理解できるならばそれに越したことはありませんが、現代人の世界観は昔と変わっているので、簡単に理解できて納得いけそうにないのです。というわけで、うるさく感じるほど延々と、大念処経について解説いたしました。解説は決して絶対的なものではありません。いろいろな角度から解説できるからです。本書では、お釈迦さまの教えを実践する方々に焦点を合わせて説明したのです。実践することを念頭に置いた解説なので、学術的な注釈にはならないと思います。
実践する方々は、この経典の内容をすべてそのまま実践しなくてはいけないと思う必要はありません。人々には、さまざまな性格、さまざまな能力、さまざまな好き嫌いがあるものです。完全に同一の生命は存在しません。しかし、生きるという衝動はみな同じです。生きかたがそれぞれ変わっているだけです。お釈迦さまの教えは、すべての生命に適用できるように普遍的な立場で語られているのです。いかなる人間にも、自分の性格と生きかたに適用する教えを見つけることができます。大念処経の場合も同じです。実践する方々には、自分個人に適用できる教えを見つけられるだろうと思います。しかし、実践は身・受・心・法という四段階になりますので、終わりまで読んで理解することが必要になるかもしれません。納得がいかないところ、疑問に思われるところなどを見つけたならば、そのまま信じる必要はありません。さらに調べてみたほうがよいのです。
日本テーラワーダ仏教協会機関誌『パティパダー』での約五年間におよぶ連載をまとめた本書をガイドに、ブッダが説かれた覚りへの道を疑似体験してみましょう。『大念処経』は当分、電子書籍化される予定はありません。ぜひずっしりとしたリアル書籍で味わっていただければと存じます。
~生きとし生けるものが幸せでありますように~
スマナサーラ長老の新刊案内『大念処経』など
1月はスマナサーラ長老の新刊が4タイトル刊行されました。少し遅くなりましたがご紹介します。
『40歳からを悔いなく生きるブッダの智慧』海竜社は、第二の思春期への入り口とも言われる40歳からの生き方を指南した実用書です。仕事で成果を上げるコツを掴み、感情で行動しないように戒め、人づき合いの達人になる方法を身につけ、めげずに社会を生き抜き、そして「自分の人生」に向き合う。さまざまなストレスに苛まれる40歳からを強く生きる智慧を学びましょう。
続いて『「忙しい」を捨てる 時間にとらわれない生き方』角川新書は、仏教の時間論(瞬間論)を切り口に語られる新しい人生論です。よく「時間に追われる」と言われますが、目の前にあるのは瞬間という存在だけ。時間とは瞬間の積み重ねに過ぎません。時間にとらわれない生き方の提案は、あなたの人生を楽にしてくれるはずです。
『一日を変えるブッダの教え』サンガは、日本テーラワーダ仏教協会機関誌『パティパダー』巻頭法話をまとめた作品。競争社会をどう生きる?/悩みの元は思考にあり/怒りを手放す/身体と心/好き嫌いは危険な妄想/幸福な人生を目指して という6つのテーマに沿って選ばれた30篇が掲載された重厚な一冊です。ぜひ座右の書としてお手元に置いて頂ければと存じます。
そして『大念処経 ヴィパッサナー瞑想の全貌を解き明かす最重要経典を読む』がついに刊行です。お釈迦さまが「衆生にとって、(心の)清浄に達するための、愁い悲しみを乗り越えるための、苦しみと憂いが消えるための、正理を得、涅槃を目のあたりに見るための唯一の道である」と説いた気づきの実践(四念処)を完全に説いた経典をスマナサーラ長老が実践者のために註釈した作品です。冥想をされている方にとって、これ以上ないガイドブックになるでしょう。また、さぼっている人のやる気を引き起こし、門外漢もブッダの「如理作為」の世界を垣間見れる宝石のような本です。
~生きとし生けるものが幸せでありますように~
今年読んだ仏教書ベスト8
今年読んだ本を振り返っているうちに、2015年仏教書ランキングみたいな記事を書きたくなりました。自分でももっぱら仏教書を編集・制作しているのですが、新刊をもれなくチェックしているわけではなし、たまたまご縁で今年読んだ本のなかから何冊かピックアップしてみたいと思います。ランキングの順位は紹介したい&思いだした順なので、それほど意味はありません。
第1位 松尾宣昭 『仏教はなにを問題としているのか―龍谷大学講話集』永田文昌堂
実は松尾先生に拙著『日本「再仏教化」宣言!』を差し上げたご縁で献本していただいたんですね。永田文昌堂はAmazonにも卸してないので、著者のご好意が無ければ怠惰な僕は一生知らずに終わったかも。表題のとおり龍谷大での講話集で、しかもテーマが建学の理念ときたもんで、内輪向けのお話かと思いきや、浄土真宗的な仏法の「掴み方」が見事に表現された内容で、ちょっとやばいくらいに耽溺して読み込んでしまいました。入手しづらいとは思いますが、仏教好きな方はぜひ手に取ってほしいと思います。
無明とは「宇宙にはどこにも中心はない」という真理をはねつけ、「宇宙には〈この私〉という中心がある」という言葉で指し示されるような身心のありかたをしていること、なのだと思います。30p
「自灯明、法灯明」といっても、灯明が二つあるわけではないのです。法灯明つまり仏法という一つの灯明があるだけです。他方の「自灯明」というのは、その仏法という唯一の灯明を、自らの内にしっかりと点火せよというお示しなのですね。86p
「生かされて生きている」といえば聞こえはいいですが、それはとりもなおさず「殺して生きているということと表裏一体なのです。
けれども「生かされている」になら感謝でいいですけど、「殺している」に「感謝」ではおかしいでしょう。151pどんな生きものでも死にとうないの一念で生きている。それを殺すのですから、とるべき態度は「感謝」ではなく「慚愧」のはずですね。「生かされていることへの感謝」とは、少なくとも食事ということでいうなら、「殺していることへの慚愧」と表裏一体でなければならない。p152
生かされて生きているから"罪深い"(原文傍点)のです。しかし生存様式そのものが罪深いなどという実感など、まるでないわたしです。だから無慚無愧。自分の自己中心性に驚かない。そしてわたしには見えない"そこ"(原文傍点)こそを問題にしているのが仏教のはずです。そこを外して単に生かされて「ありがとう」では、欲を満たしてもらってうれしいなと言っているのと変わりないことにならないでしょうか。p153
第2位 及川真介[訳註] 『仏の真理のことば註(一): ダンマパダ・アッタカター』春秋社
ついに出た!ダンマパダ(法句経)の注釈書であり、初期仏教にまつわるエピソード集としても名高いダンマパダ・アッタカター(法句註)の日本語全訳シリーズが刊行開始されました。例によって超お高いですけど、これはお小遣いはたいて買う価値があると思います。 第一巻には釈迦族滅亡にまつわる物語の詳細も。
第3位 加藤みち子[訳 ] 『鈴木正三著作集』中公クラシックス
この本についてはブログ記事を書きました。
第4位 藤本晃 『悟りの4つのステージ』サンガ
悟りって何?どうすれば悟れるの?「3.0」でも「ゼロポイント」でもない「悟り」のスターティングポイントからゴールまで!「ブッダはニートだった?」「仏道を学んでも人格は成長しない?」「悟ったらすぐに死なないとおかしい?」―仏教をめぐる昨今の誤解について、『ブッダの実践心理学』の著者が、パーリ語聖典に基づいて真正面から答え、「悟り」の真実を解き明かしてゆく。最初の悟りである「預流果」に悟る方法も解説!
という具合に煽ってるわりに、幸福の科学を名指しで批判したりした僕と違って「3.0」や「ゼロポイント」の著者を名指しで糾弾とかはしていません。ゼロポイントの魚川氏がマーケティング的にボカしたと思われる「悟りのステージ」という問題に焦点をあてて、息詰まるほどにギュウギュウと聖典に基づいて詰めています。労作中の労作でしょう。
第5位 魚川祐司 『仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―』新潮社
すでにいろんなところで論じられている本だけど、日本語圏における「輪廻と解脱」に関する議論は、本書が世に出たことを期にかなり風通しよくなったことは事実だろうと思う。和辻哲郎の呪いで歪められてきた仏教言説の基礎の基礎をメジャーどころに通じる語り口で啓蒙した業績は素直に素晴らしいと思う。ちなみに和辻哲郎の「輪廻」理解を魚川氏に先立って徹底的に批判したのは第一位に挙げた松尾宣昭先生です。
関連するTwitterまとめ二つとブログ記事一つ、リンク張っときます。
第6位 蓑輪顕量 『日本仏教史』春秋社
これまで教学史(仏教各宗派の教えの変遷)に偏重していた仏教史の書き方を大胆に改め、学(教学)と行(修行)の両面から、伝来以来の日本仏教の歩みを通史的に概観した著作です。蓑輪氏の前著『仏教瞑想論』とスタンダードな仏教史の見取り図を頭に入れないと、著者の狙いを掴みにくいところもありますが、十章「戦後・現代の仏教」にスマナサーラ長老のお名前が登場するあたり、いま現在の自分たちの活動が、仏教史の「歴史観」にも影響を及ぼしていることを実感できました。
第7位 師茂樹 『『大乗五蘊論』を読む (新・興福寺仏教文化講座)』春秋社
この本についてはブログ記事を書きました。
今年出版された仏教書ではないですが、今年、僕のなかで仏教マンガとして見出された作品が『アシュラ』でした。
~生きとし生けるものが幸せでありますように~
今年読んだ本(思いだしぽろぽろ)
前エントリーで今年読んだ本をTwitterの”読了”検索でまとめてみたけど、やっぱあまり当てになりませんね。そういえば、こんな本も読んだなとぽろぽろ思いだしてきたので、再度まとめてみます。
そうそう箱根が噴火する直前に記念館に行ったサン=テグジュペリのこと忘れてました。ブログ記事まで書いたのにね。
- 作者: サン=テグジュペリ,Antoine de Saint‐Exup´ery,河野万里子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 文庫
- 購入: 24人 クリック: 119回
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こちらも改めて読んでみた。『夜間飛行』と併せて読んだほうが大人にはいいかも。
鎌倉でたまたま入ったカフェに置いてあって、気に入った本。頭から尻まで読み通すという性格の作品ではないので、折に触れてあてずっぽうに開いてる。
「霊魂不滅を信じるのは、害がある。というのは、たましいが本当にからだを持たないものであると想像するのはわたしたちの力にあまることであるから。そこで、霊魂不滅を信じるといっても、実際は、生命が延びると信じているわけで、死を役立たせることができない。」 シモーヌ・ヴェイユ
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 8月 21
これも地元のカフェに置いてあって、その場で楽しく読んだ作品。初出は古いけど宮坂先生の本はどれを読んでもハッとさせられる言葉にどこかで出会えます。
"空海以前あるいは空海以後においても、日本の仏教史上で正規の教育を受けて国家の最高学府に学んだ仏者といえば、空海ひとりあるのみである。"186-187p 『空海 生涯と思想』宮坂宥勝 ちくま学芸文庫 あ、これって見落としがちなポイントだな。さすが宮坂先生。
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 6月 6
宮坂宥勝『空海 生涯と思想』ちくま学芸文庫 明治43年に長谷宝秀が『弘法大師全集』16巻を出すまで、空海は大師信仰の対象であって、著作はほとんど読まれなかった。宗門においても『十住心論』『文鏡秘府論』『性霊集』など等閑視されていた、というのは興味深い。近代における空海の発見か。
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 6月 20
- 作者: ミルトン,John Milton,平井正穂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1981/01/16
- メディア: 文庫
- 購入: 16人 クリック: 79回
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なぜか友人が激推ししてきたので、滅多に手を出さない岩波文庫赤版を。不屈の精神で神と戦う(嫌がらせする)サタンに胸熱の名作でした。
SEALDsのメンバーがイヴァン イリイチに言及してるのに驚いた。さらに、ぼきも若い頃に嵌った『コンヴィヴィアリティのための道具』なんと、ちくま学芸文庫に入ったのか!!! http://t.co/lqlcs42ScP
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 10月 14
というわけで再読しようと買ったけど、眠くなるばかりでなかなか先に進みません。海外の思想家で著書をほとんど読むくらい嵌ったのはイリイチが最初(高校生の頃)なので、またいつか再読熱が発火するかな?
ブログで紹介した証空上人の『白木念仏』法語が収録されている法然上人絵伝(法然上人行状絵図)もつらつら通読しているところ。
伝記から法然上人や弟子たちの法語、選択本願念仏集のダイジェストまでものすごい情報量に驚いた。
白木念仏法語は下巻に収録(248p~)されてます。
現代語の全訳も出ていて便利ですね。
そうそう、12月はこの人でした。松尾宣昭『仏教はなにを問題としているのか―龍谷大学講話集』で彼女の「くらし」という詩が紹介されていたのをきっかけに読んだのでした。
ふくれた腹をかかえ 口をぬぐえば 台所に散らばっている にんじんのしっぽ 鳥の骨 父のはらわた 四十の日暮れ 私の目にはじめてあふれる獣の涙。
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 12月 15
随筆も硬派で面白いです。
水木しげるの遺作となった身辺雑記マンガ。日常の瑣事を描いても見開き大ゴマの異界感はものすごいんだが。Kindleで購入。最終話が最高です。
昭和42-44年にかけて漫画アクションに連載された「日本の民話」を完全収録した作品とのこと。他の短編集で読んだことのある作品も多かったけど、影女、雨女、一つ目小僧、猫の町、梅干しなど何度読んでも味わいがある。糞神様、猫又あたりを読める短編集もはよkindleで出ないかしら。
kindleセールの時に、全巻700円で買って読んだ。最初のアニメ版と違って、割と健全なセカイ系少年マンガ展開で驚いたけど。電子書籍も読み放題の流れ、来るのでしょうか?
これもセールの時にまとめ買いした”部族系”SF作品。最近巻はアイテム謎解きっぽい流れで引っ張りすぎてる気もするけど、骨太のストーリー展開はなかなか読ませます。
仏教国際ネットワークの源流―海外宣教会(1888年~1893年)の光と影 (龍谷叢書)
- 作者: 中西直樹,吉永進一
- 出版社/メーカー: 三人社
- 発売日: 2015/06/25
- メディア: 単行本
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こないだ版元からDM来るまで存在すら知らなかった本。拙著『大アジア思想活劇』で触れた明治10年代後半から20年代にかけて起こった国際的な仏教復興のネットワーク について「海外仏教事情」と「アジアの宝珠」(英文)という二つのメディアの興亡を中心にしてまとめられています。
本棚やkindleペーパーホワイトの中を覗くと、あれもこれもと思いだしもキリがないけど、この辺で。(^^;
追伸:
そういえば、今年の夏はハンモックでだらだらしながら荘子読むのに嵌ってました。
追伸の追伸
8月15日近くに読んだ戦争に関する本のことも忘れていた……歴史の忘却ヤバいレベル。(^^;
~生きとし生けるものが幸せでありますように~
今年読んだ本(Twitterを”読了”でキーワード検索してみた)
さて本格的に年の瀬なので、今年読んだ本など振り返ってみたいと思います。といっても、Twitterを”読了”でキーワード検索してみただけですけど。コメント無しのものは、文字通りただ読んだだけっつー感じなので、省きました。
新年1冊目の読了本。松原始『カラスの教科書』雷鳥社。これはいい本だわぁ。この"隣人"たちのこと、知ったほうが断然、毎日が楽しくなると思う。皆々様にオススメです!... http://t.co/eFasGmfDMi
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 1月 3
- 作者: 松原始,植木ななせ(カラスくん),松原始(スケッチ)
- 出版社/メーカー: 雷鳥社
- 発売日: 2012/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ハリー・ポッターが左翼って本当? - ──ブレイディみかこ待望の新刊、『ザ・レフト──UK左翼セレブ列伝』来月発売! | ele-king http://t.co/n05Z7YDpFc @___ele_king___ 読了。こんな面白い評伝集は久々。日本社会への示唆に富んだ内容。
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 1月 6
ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)
- 作者: ブレイディみかこ
- 出版社/メーカー: Pヴァイン
- 発売日: 2014/12/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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青木理『抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心 kindle版で読了。関係者インタビューをまとめた第3章は圧巻だ。歴史修正主義とファシズムの嵐にマスメディアが"総転向"しつつある中、"抵抗の拠点"になるのは、ジャーナリストとして至って普通(フツー)の矜持だったりする。
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 1月 7
山崎正一+串田孫一『悪魔と裏切者 ルソーとヒューム』ちくま学芸文庫,読了。欧州サロンを巻き込んだ思想家二人の糞くだらない痴話喧嘩を時系列で辿る。き、君たち、一体なんなの??? 敗戦直後の日本でこんな珍本が出版されてたってことにも驚いたわ。
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 1月 11
ネルケ無方『迷いは悟りの第一歩: 日本人のための宗教論』(新潮新書603) 読了。”クリスチャンとしてドイツに生まれ育った禅僧は、なぜ神を捨て、日本で仏道を歩むことになったのか――。”ドイツ人とキリスト教会との関係など初めて知った。 http://t.co/cURQ557owq
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 1月 15
押見修造『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』読了。吃音の少女を主人公にした青春漫画。読後の余韻がね……いい作品。 http://t.co/yWWqlIi787
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 1月 15
朝山実『アフター・ザ・レッド 連合赤軍 兵士たちの40年』角川書店,読了。自分が生まれた年に起きた事件。巻末の犠牲者リストを読むと、いまの自分の年齢は浅間山荘攻防戦で射殺された機動隊隊長に近いんだな。 pic.twitter.com/ir8cv4m76U
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 1月 31
- 作者: 朝山実
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/02/14
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末木文美士『草木成仏の思想』サンガ,読了。巻末の安然『斟定草木成仏私記』現代語訳も読んだが、密教にダイブして強制終了!みたいなポカーン展開。この本を中心にして、サンガジャパンで「仏教と自然」特集やったら面白いんじゃないかな? http://t.co/t6eOd0bERO
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 3月 2
木畑洋一『二〇世紀の歴史』岩波新書(新赤版)1499 読了。帝国ごっこはもうおしまい。フラットな世界を楽しく生きよう!
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 3月 14
これ、Kindleでテキスト買って読んだけどなかなか面白かった。『大般涅槃経』いろんな訳で何度も読んでるつもりだったけど、やっぱ勉強になったわ。佐々木閑さん「小乗仏教」使うのやめたみたいで、たいへん結構なことだと思います。→ https://t.co/sjGKgYwX4X
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 4月 10
『ブッダ 最期のことば』 2015年4月 (100分 de 名著)
- 作者: 佐々木閑
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/03/25
- メディア: ムック
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『嫌われる勇気』読了。ライターの持てる力量を全投入した丁寧な本作りの見本のような作品だった。原典は分からんけど、岸見アドラーほとんど仏教のようで驚いたわ。→ http://t.co/IpfmYtqOln
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 4月 18
岩明均『寄生獣』Kindleフルカラー版で再読した。この作品は日本の知識的大衆が「人間とは?人類とは?」といった普遍的テーマを真面目に思索した稀有な時代(1990年代)の産物だと思った。今なら、マイノリティへのヘイトクライム描写が前面に出た『デビルマン』的展開になるだろう……。
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 5月 12
松井力也『日本人のための英語学習法』講談社学術文庫(kindle版)ハンモックで読了。前置詞の解説が特に面白かったな。著者は高校の先生だけど、ロキノンにレビューとか書いてたんだって。どうりで講談社学術文庫にしては爺むさくなかった。オススメ!
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 6月 6
浅見雅男『皇族誕生 (角川文庫)』読了。皇族周辺での北一輝や石原莞爾の暗躍もさらりと描かれる。僧侶→軍人→学者とゆう皇族の身の振り方の変遷はそのまま日本国の「国体」の変遷と一致すると思った。 http://t.co/CAfekcVh9N
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 6月 10
『黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実 (早川書房)』読了。加害者はもちろん被害者遺族や捜査当局者そして周辺にうごめく有象無象の人々、誰一人として感情移入できない宙吊り感と不快さ http://t.co/iUwpTmVGmE
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 6月 14
- 作者: リチャードロイドパリー,Richard Lloyd Parry,濱野大道
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2015/04/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一昨年末に出た直後に買った『仏典はどう漢訳されたのか スートラが経典になるとき』船山徹,岩波書店,2013 ようやく読了。いろんな論点が示されてて、ほんと読みごたえあったなぁ。勉強した!って感じ。 http://t.co/YRkAF7sDif
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 7月 5
『阿・吽(1) (ビッグコミックス)』読了。最澄と空海が主人公。真魚(のちの空海)がワイルドすぎるような…… http://t.co/LEk7k68OYF
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 7月 25
阿・吽 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: おかざき真里,阿吽社
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/10/10
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『決してマネしないでください。(1)』読了。ジョン・ハンター編が特に面白かったな。ダーウィンより70年も前に進化論の発想に到達していたという英国の医者。読み書きが苦手だったそうだ。 http://t.co/u8thjMbud3
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 7月 25
山田 参助『あれよ星屑』3 (ビームコミックス) 読了。前巻の戦場描写は淡泊というか白っぽい印象を受けたが、戦後に立ち戻った3巻の焼け跡の描写力はさらに鮮烈に。特攻隊がコックリさんやるシーンの闇の深さ。日本人の闇の深さ。 http://t.co/luDH1wQ6cL …
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 8月 10
『NHKさかのぼり日本史(6)江戸 “天下泰平”の礎』読了。d(^_^o) http://t.co/jgBarnJS4J
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 8月 2
杉本卓洲『ブッダと仏塔の物語』大法輪閣,読了。仏塔の起源やモデルって結局よーわかんないのね……。古代文明のこんがらがったタイムカプセルみたいなものか。妄想がまた膨らんでしまう 笑
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 8月 29
エリーン・スネル(出村佳子・訳)『親と子どものためのマインドフルネス』CD付,サンガ,読了。これ良い本でした。子育て世代の皆さんにおススメです。http://t.co/JWsZ9DUjkD
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 9月 5
この本については簡単なブログ記事を書きました。
湯浅邦弘『軍国日本と『孫子』』ちくま新書,読了。これは良書。兵家の古典中の古典である『孫子』との向き合い方を通じて、明治以降の日本の歩みを振り返るという趣向。中国古典好きのみならず近現代史に興味のあるすべての方にお勧めしたい。 http://t.co/TGIHqagswc
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 9月 21
師茂樹『論理と歴史 東アジア仏教論理学の形成と展開』ナカニシヤ出版,読了…というかページに空気を通した。先に『『大乗五蘊論』を読む』を読んどいてよかったかも。僕のボキャブラリで無理やりまとめるならば、仏教論理学をめぐる史劇という... http://t.co/TTvjjcPpTE
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 10月 10
本書と大乗五蘊論については簡単なブログ記事を書きました。
鶴見俊輔・関川夏央『日本人は何を捨ててきたのか 思想家・鶴見俊輔の肉声』ちくま学芸文庫,読了。1997年と2002年の対話を収めた作品。文化ナショナリズムに拠った、小日本主義ならぬ"縮小日本主義"が語られている感も。高橋秀実の解説まで全編読ませる豪華な文庫本。
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 10月 17
日本人は何を捨ててきたのか: 思想家・鶴見俊輔の肉声 (ちくま学芸文庫)
- 作者: 鶴見俊輔,関川夏央
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/10/07
- メディア: 文庫
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『輪廻転生 〈私〉をつなぐ生まれ変わりの物語 (講談社現代新書)』読了。 https://t.co/PXUWYuArNr
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 11月 4
これも簡単なブログ記事を書きました。
”無明とは「宇宙にはどこにも中心はない」という真理をはねつけ、「宇宙には<この私>という中心がある」という言葉で指し示されるような身心のありかたをしていること、なのだと思います。” 松尾宣昭『龍谷大学講和集 仏教はなにを問題としているのか』永田文昌堂,30p いい本です。
— nāgita #antifa (@naagita) 2015, 11月 16
松尾先生の本はブログ記事にしなければと思っているのですが……自分が制作かかわった以外の仏教書ではベストでしたね。メモのし忘れもあると思いますが、今年はこんな感じでした。
~生きとし生けるものが幸せでありますように~
2015年に出たスマナサーラ長老の本(2)協会のkindle本7タイトル
紙の本に続いて、2015年に出たスマナサーラ長老の本第二弾です。
日本テーラワーダ仏教協会で出したkindle(キンドル)本7タイトルを紹介します。5月から、ほぼ月に1冊のペースで刊行しました。来年も年に8~10冊くらいのペースで出せればいいなぁと思っています。
こころのセキュリティ: 爆発寸前のあなたを幸せに導く「日夜の指針」 (初期仏教の本)
- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
- 出版社/メーカー: 日本テーラワーダ仏教協会
- 発売日: 2015/05/17
- メディア: Kindle版
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こころのセキュリティ: 爆発寸前のあなたを幸せに導く「日夜の指針」 (初期仏教の本)
一年ほどお休みしていた協会版電子書籍(Amazonkindle)の再開第一弾。まるで原子爆弾のように取り扱いが難しい私たちの「こころ」を清らかに保ち、暴走して不幸に陥らないように簡単に守る方法とは? 本書で詳述される「日夜の指針」は、三帰依、慈しみの実践、不浄観察、死の観察をまとめた仏教の詩(偈、ガーター)です。意味とともに暗記して常に念じることで、人生を幸福へと導く最高のお守りになることでしょう。初出は、関西での法話をもとに宝泉寺から刊行された施本です。
目次:
第一章 あなたのこころは原子爆弾です
「ご利益系宗教」の罪と罰
あなたのこころを管理する専門家はいますか?
一般的な宗教と仏教の決定的な違い
人生の難問を引き受ける管理所
あなたはスーパーマンになれるだろうか?
あなたの人生に責任をもってくれる存在
爆薬を抱え、あなたのこころは危機一髪
妄想世界からの脱出作戦
噂、無駄話がつくり出している汚染現象
爆弾のスイッチを切る唯一の方法
第二章 こころの必須栄養素「日夜の指針」
「日夜の指針」全文
三帰依がこころに呼びかけるとき
「慈悲の瞑想」のすばらしい効果
「不浄随念」の実践
あなたの常識は真理の非常識になる
「私は美しい」「私はすばらしい」と思っている人へ
これでもあなたは自分がすばらしいと思いますか?
智慧の扉をひらく鍵をあなたへ
「死随念」の不思議
「死の観察」でこころは一八〇度変わる
この世でもっとも確実なもの
「智慧の泉」が湧き出すとき
真理の言葉とこころの安定
おわりに
仏教の「無価値」論 (初期仏教の本)
” あなたにとって、価値とはなんですか?
価値があるもの、ないものと区別できるものはありますか?
かつて価値があったが、いま価値がないものはありますか?
かつて価値がなかったのだが、いまになったら価値があるものはありますか?
あなたにとって、価値あるさまざまなものの中で第一はなんですか?
あなたにとって、絶対的に価値があると思うものはなんですか?
……このようなアンケートに答えてみると、自分の価値観が理解できると思います。
仏教は、人間の限りのない苦しみの原因は、この価値観にあると説いています。”
人間を束縛する「価値観」の鎖を解き放つ、仏教の「無価値」論とは? スマナサーラ長老が仏道修行の真髄を示した2000年の法話を電子書籍化(初出は協会施本)。
主要目次:
真理の言葉(Dhammapada)より
第一章 なにがゴミで、なにが宝物ですか?
第二章 「ゼロ価値」で生きてみましょう
第三章 ヴィパッサナー冥想をすすめるうえで
付録 Q&A「無価値」は真理のキーワード
感覚について: ヴィパッサナー実践の道しるべ (初期仏教の本)
- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
- 出版社/メーカー: 宗教法人日本テーラワーダ仏教協会
- 発売日: 2015/08/11
- メディア: Kindle版
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感覚について: ヴィパッサナー実践の道しるべ (初期仏教の本)
「感覚の観察」を通して、無常・苦・無我の真理を知り、一切の執着から解き放たれるための道程を記したガイドブックです。宝泉寺ヴィパッサナー合宿でのスマナサーラ長老ご法話『感覚について ~ヴィパッサナー実践の道しるべ~』と、パーリ経典講義『生きるとは「感覚」のこと Rahogatasuttaṃ(独坐経)を読む ~一切皆苦と「無価値論」の教え~』を収録しました。前述の『仏教の「無価値」論』と併せて、必読と言える内容です。
目次
1感覚について
~ヴィパッサナー実践の道しるべ~
◆認識とはなにか
遺体と自分、なにが違いますか?
遺体は五感が反応しない
遺体には感情がない?
私は「生きている」
生きているということ、「命」のリスト
こころは機能で場所がない
仏教はこころの機能を研究する
◆自己都合の世界
こころの認識は自分の都合による
花はきれいですか?
蛙はかわいいか、気持ち悪いか
怒り、憎しみ、嫉妬も自分の肉体を守るため
俗世間の知識は人格向上の役に立たない
なんでもかんでも認識の世界
世間の認識を超える
ヴィパッサナーは超人の方法
「都合による認識」をやめる
◆真理へのアクセスポイント
こころは流れるもの
最初に見ている(感じている)
認識するより先に感覚があった
感覚(ヴェーダナー)から始まる
生きているということは感覚
一切は感覚である
感覚を感じながら実況する
身体の苦しみとこころの苦しみ
感覚は一定していない
2生きるとは「感覚」のこと
~Rahogatasuttaṃ(独坐経)を読む――一切皆苦と「無価値論」の教え~
◆「感覚は苦そのもの」なのか?
「生きること」の事実と実感
生命は感覚で生きている
「感覚は変化する」という普遍の法則
◆「独坐経 Rahogatasuttaṃ」解説
比丘の質問
お釈迦さまの回答
苦の説法は「無価値」論である
お釈迦さまの解決策――感覚の滅
感覚の止息と軽安
ブッダは真理を語る: テーラワーダ仏教の真理観とその変容 (初期仏教の本)
- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
- 出版社/メーカー: 日本テーラワーダ仏教教会
- 発売日: 2015/09/14
- メディア: Kindle版
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ブッダは真理を語る: テーラワーダ仏教の真理観とその変容 (初期仏教の本)
仏教徒にとって「ブッダの言葉」はそのまま真理を語る言葉である。ではなぜ、どのような理由でブッダの言葉は「真実語」と言われるのか? それは他宗教の信仰や神秘の世界とどう違っており、また似通っているのか? スマナサーラ長老がテーラワーダ仏教における真理観をその歴史的変容と併せて縦横に語った高野山大学での講演録と、関連するテキストを収録しました。
目 次
ブッダの言葉とは
オープンチャレンジ宣言
理性を完成したブッダ
ブッダ以外、誰にもできない
幸福になる正しい道
ブッダは真理を語る
~テーラワーダ仏教の真理観とその変容~
■「初期仏教における『真言』とは?」
高野山大学での講演サマリー
■テーラワーダ仏教の真理観
ブッダの真理を重んじる
何にでも真理はある
学者たちも真理を探している
科学は真理に至っていない
「科学の発展」がある未熟な段階
唯一の神が在るかもわかっていない
神への信仰と異なる仏教の「信」
真理がわかれば悩み苦しみは消える
もはや病気はたたりではない
ブッダが語った、生きるとは何か
生きるとは苦だと発見したけれど
命は「尊い」ではなく「苦」
呼吸のように苦から苦へ移る人生
真理の効き目を自慢したブッダ
真理は結果を出す
■神秘主義による変容
ブッダの真理を認めたがらない
人間が現れたときからある神秘思考
神秘主義へのニーズに応える
ブッダの真理が神秘扱いされる
神秘のようで論理的な慈悲の実践
祈っても無駄、慈悲を育てなさい
宝経と慈経は唱える
教えがご利益経典に
神秘は役に立たない
テーラワーダと大乗の類似点はある
大乗から借りるテーラワーダ
テーラワーダの真髄は解脱
土着信仰などとの融合
幸福のための三十二項目が祝福の経典に
仏教は神秘でなく心の力
テーラワーダと大乗の運命
真理と道徳は不可分離
~増支部経典Brāhmaṇasaccasuttaṃ(「バラモンの真理」経)を読む~
釈尊、「遊行者園」へ行く
遊行者の話題は「バラモンの真理」
「バラモンの真理」とは
第一の勝れた真理
第二の勝れた真理
第三の勝れた真理
第四の勝れた真理
初期仏教の「女性・男性」論: 女性こそ社会の主役、男性は暇な脇役です (初期仏教の本)
- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
- 出版社/メーカー: 日本テーラワーダ仏教協会
- 発売日: 2015/10/10
- メディア: Kindle版
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初期仏教の「女性・男性」論: 女性こそ社会の主役、男性は暇な脇役です (初期仏教の本)
「「仏教は女性差別の宗教である」と、時として言われます。比丘尼のサンガ(僧団)は比丘のサンガの管理下におかれ、礼を尽くすことになっている戒律なども、女性蔑視だと感じられる要因かもしれません。」(本文より)仏教はやはり女性蔑視なのか。女性、男性という性別について仏教ではどう考えているのか。現代人の常識で考えるとモヤモヤが残る難テーマに長老が切り込みます。
目 次
1仏教の女性論・男性論
仏教は女性蔑視?
仏教は男女平等には興味がない
「男女平等」という発想自体が問題
なぜ女性蔑視が生まれたか
各民族の神はほとんど女神だった
どんな「論」でも凶暴なら通用する
勝手な価値観でつくられた社会
なぜ女性は抑圧されるのか
生命の本質は身体と心
生命は皆、同じ
男性、女性。その定義
アビダルマによる「男」「女」解説
生命はかならず、「男」か「女」
性色の機能次第で性別は明確になる
性色のはたらきは業にも左右される
禅定は性別がなくなる
「男性・女性」に関する仏教の結論
心には性別がない
「男らしい」「女らしい」に傾く心
異性の性質は持っていない
心の影響は身体にも現れる
修行の場での男と女
女性は出家したら管理できない
解脱の境地に性別はない
2一般社会の女性論
女性の辞書に「控えめ」はない
女性差別主義者をつくるのは女性
女性の優れた管理能力
生む、育てる、守る
優しさという管理
3一般社会の男性論
男性は脇役
暇な男性のやること
男の役割
男の勘違い
「正等覚者」はなぜ常に男性か
それでも男は惨め
4男女論から生命論へ
異性は理解できない
「相手を理解している」という誤解
他の生命を理解する方法
男・女ではなく、生命として生きる
智慧と慈悲の開発レッスン: 過去に悩まず、未来を期待せず、現在に生きる シリーズ心を育てる本
- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
- 出版社/メーカー: 日本テーラワーダ仏教協会
- 発売日: 2015/11/01
- メディア: Kindle版
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智慧と慈悲の開発レッスン: 過去に悩まず、未来を期待せず、現在に生きる シリーズ心を育てる本
「生きる上で「損か、得か」と勘定することは必要でしょうか?
一般的に、「損得を計算して行動することは、わがままで汚いこと」と思われがちです。そう思うのは、世の中の仕組みをあまり理解してないからではないでしょうか。実際のところ、私たちは「損得」を考えずに生きていられません。
なぜなら、人間関係というものは基本的に「損・得」、あるいは「与える・得る」の関係で成り立っているからです。」(本文より)
ブッダの智慧を日常生活に活かし、こころを成長させる実践マニュアルです。俗世間で幸福に生きるための「損得勘定」を詳述した第一部と、相対論と価値判断の問題を論じつつ「悟るまでどう生きるか?」という観点で道徳と慈悲の実践を示した第二部で構成されています。
主要目次
第一部 損得勘定の智慧
1ギブ・アンド・テイクの法則
2人生はモノの流れの交差点
3正しい価値判断能力
4こころを豊かにする勘定法
5幸福の見積書
6在家者が豊かになるために
第二部 智慧の開発
1こころが起こす錯覚
2長いと短いはどうやって判断するか?
3三つの真理
4過去に悩まず、未来を期待せず、現在に生きる
5最高の楽しみ
「宝経」法話: Ratanasuttaṃ
これまで施本として頒布されてきた『「宝経」法話』(第二版)が、アマゾン・キンドルより電子書籍としても発売されました。「宝経 Ratanasuttaṃ(ラタナスッタン)」は仏法僧の三宝たる由縁を語る仏教の基本経典のひとつです。釈尊在世当時から護経として人々に親しまれ、現在でもテーラワーダ仏教圏の法要では必ず唱えられています。本書では、この「宝経」をパーリ語の原典に即してスマナサーラ長老が一偈ずつ丁寧に解説して下さっています。ブッダの教えのエッセンスを知ることができる最適の入門書だと思います。スマホやタブレットに携帯して読んでいただければ幸いです。
目 次
序章
経典の因縁物語
幸不幸は連続する
悪霊はほんとうにいるの?
生命は互いに依存する
仏教の教える「霊的存在」
霊などまったく気にしないこと
ヴェーサーリーに赴いた釈尊
仏法僧とは何かを教える経典
第一偈
霊たちへの祝福
第二偈
お釈迦さまの命令とは
第三偈
ブッダの言葉は最強の力を持つ
祝福の効果
第四偈
ブッダの覚りの内容
第五偈
覚りのサマーディについて
第六偈
サンガとは誰のこと
第七偈
阿羅漢たち
第八偈
こころ揺らがない預流果の弟子たち
第九偈
安心を確証された預流果
第十偈
預流果は理性の達人
理性が現れた人の利得
重罪は犯せない
第十一偈
預流果は言い訳をしない
第十二偈
ブッダの教えは咲き誇る花々のように輝く
第十三偈
唯一偉大なる言葉
第十四偈
完全たる自由(阿羅漢)
第十五偈~第十七偈
霊たちの礼拝と祝福
おわりに
~生きとし生けるものが幸せでありますように~