『仏法』精読

研究日。先だって訳者の野中耕一先生より協会宛に献本いただいた大著『仏法 自然の法則と生きることの価値』プラプロム・クナーポン(パユットー師)/野中耕一・訳(自費出版)を精読した。スマナサーラ長老の著書に触れてから、たいていの仏教書を読んでもさほど驚くことはなかったが、タイ仏教界の碩学によるこの本はすごい。五蘊、六処、三相(無常・苦・無我)、縁起、業、四諦、中道(八正道)の実践法、三学(戒・定・慧)について、これだけ網羅的かつ明快に、パーリ仏教の立場で現代人に向けて説かれた本には出会ったことがない。タイ仏教についてはさほど注意していなかった(名前が思い浮かぶのは、森林派のアチャン・チャーと、断見派から好かれてるブッダダーサ師くらいかな?)が、これほどの人物がいたとは。まったく南西方向に足向けて寝られないわ。ページをめくるたび、興奮と発見の連続で、喜びの気持ちが溢れてくるのが抑えられない。たまたまいまの自分の問題意識とぴったり嵌ったということかもしれないが、この宝物をなんとか多くの人々に紹介する手段がないものかと考え中。アジア文庫に同じく野中先生の訳されたパユットー師『自己開発 上座部佛教の心髄』(NGOと開発シリーズ 6)があったので、さっそく注文。

仏教・開発・NGO―タイ開発僧に学ぶ共生の智慧

仏教・開発・NGO―タイ開発僧に学ぶ共生の智慧

一応、関連書。普通の人が買って読むほどではないが……。

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