2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧
8つの特徴 ジャータカ(本生)はブッダの前生での波羅蜜行を記録したとされる説話文学集である。ジャータカというとすぐに「物語」が連想されるが、パーリ三蔵の場合は、経典の扱いをされているのは偈(ガーター)という詩の部分のみ。この詩を「注釈」する…
ブッダは密教を否定したが、人々にとって仏教は神秘に満ちた教えだった ブッダ(釈尊)はこう述べた。「隠したほうが効果があり、あらわにすると効果がなくなるものが三つある。女性(の身体)と、バラモンたちの呪文、そして邪見だ。この三つは隠したほうが…
俺らの運動をルサンチマンの運動にしてはいけない。ルサンチマンの運動は最終的に自分を攻撃するようになって終わる。反動(リアクション)ではなく、能動(アクション)だ。どこまでも自分の生の肯定が先にあり、その上で必然的に排除されてしまうやつ(安…
大乗仏教では、ブッダになるための特別な能力完成をめざす「波羅蜜」が修行の中心に 六波羅蜜(ろくはらみつ)は大乗仏教の修行体系である。大乗仏教では菩薩道を歩んでブッダ(正等覚者)となることを目標としたため、ゴータマ・ブッダが示した修行法である…
上座部は初期に編纂されたパーリ仏典を伝承するが、大乗は大量に仏典を創作してきた 仏教にはいくつかの分類法があるが、もっとも一般的なのが上座部(じょうざぶ,テーラワーダ)と大乗(だいじょう,マハーヤーナ)という二分法である。伝統的に使われてい…
協会の電子書籍新刊、スマナサーラ長老『ブッダは真理を語る: テーラワーダ仏教の真理観とその変容 (初期仏教の本) 』の予約受付を開始しました。 内容紹介 仏教徒にとって「ブッダの言葉」はそのまま真理を語る言葉である。ではなぜ、どのような理由でブッ…
ブッダとなるための修行を積む存在で、大乗仏教では救済者としての面が強調された 菩薩(ぼさつ,菩提薩垂)とはブッダ(正等覚者)となるために波羅蜜(はらみつ)という特別な修行を積む生命である。初期の仏典で菩薩と呼ばれたのはブッダとなる前の釈尊だ…
出家者は戒律に基づく出家サンガに所属する。在家信徒は出家サンガを布施で支えながら、その指導を受けて個々人で仏道を実践する 仏教の出家とは、一義的には比丘(びく,男性出家者)と比丘尼(びくに,女性出家者)のことを言う。*1在家は優婆塞(うばそく…
恵子「荘子の話って役立たずよね」 荘子「役に立たないことを理解できてこそ、役に立つことについて話し合えるのよ。大地は広大だけど、人が用いるのは足を置くわずかな場所だけよね。でも足の寸法に合わせてその外側を地底まで掘ってしまったら、その土地は…
地獄は最下層の転生場所で、極楽浄土は聖者が特別に転生する浄居天がルーツとも 地獄は六道(五道)輪廻の底辺に位置づけられる。極端な苦しみの世界で、しかも極めて寿命が長い。ブッダは「極端に不幸な、極端に不快な、極端に不適意な処だと、まさしく言え…
有情世間(輪廻する生命の世界)と器世間(物理的な宇宙)の構造 「世間」は世界、宇宙を意味する仏教語である。 仏教の世間は【1】有情世間(生命の世界)と【2】器世間(物理宇宙)に分けられる。 輪廻(生存)からの解脱を説く仏教では【1】有情世間の分…
真理はいつでもオープンアクセス 2009年1月28日に掲載したエントリを再掲する。こういう基本原理は何度でも繰り返して周知させないといけないと思う。仏法に「秘密」はない。仏道(修行の道)にも秘密はない。「秘密の教え」を持ちだして人を誘う時点で、仏…
不滅の霊魂が死後も生存して生まれ変わるのではなく、瞬間ごとに心の流れが生滅する 輪廻(りんね)とは「因縁により生滅変化する心の流れ」である。 一切の現象は絶え間なく変化する。いまの現象から瞬く間に別の現象が生まれる。我々の心も激流のように変…
未来に向けてどんな心の流れを作るかは、今の自分にかかっている 業(ごう)とは、「人間が身体・言語・こころでなした行為(身口意の三業)は、その行為の質により自らに善悪の結果をもたらす」という教えだ。ブッダは出家在家男女を問わず、世俗で幸福に生…
初期仏教では「無我」の同義語として扱われ、大乗仏教思想ではとくに重要視された 空(くう)は般若心経の「色即是空」という熟語とともに親しまれている仏教語だ。無常・苦・無我の項でも述べたように、初期仏教では、自己観察を通して五蘊や六処などを無常…