写経

Sallekha suttaṃ 「戒め」経 ※パーリ/和訳交互読誦のため改訳私案

Sallekha suttaṃサッレーカ スッタン「戒め」経1.Idha kho pana vo Cunda sallekho karaṇīyo:イダ コー パナ ヴォー チュンダ サッレーコー カラニーヨーさすればチュンダよ、かくのごとく戒むるべし。 pare vihiṃsakā bhavissanti, mayamettha avihiṃsakāパ…

新元号「令和」の出典は阿含経典で(も)ある!

出典は『万葉集』だと? ふふふ…… いくら趣向を凝らして #新元号 を作っても、お釈迦様の掌からは逃れられないぞ。 沙門瞿曇捨滅兩舌。不以此言壞亂於彼。 不以彼言壞亂於此。有諍訟者能令和合。 已和合者増其歡喜。有所言説不離和合。 誠實入心所言知時。 …

【再掲】仏法に「秘密」なし。カルト除けにぴったりの名言(増支部経典より)

真理はいつでもオープンアクセス 2009年1月28日に掲載したエントリを再掲する。こういう基本原理は何度でも繰り返して周知させないといけないと思う。仏法に「秘密」はない。仏道(修行の道)にも秘密はない。「秘密の教え」を持ちだして人を誘う時点で、仏…

Mettasuttaṃ 慈経(Suttanipāta 143-152)※パーリ/和訳交互読誦のため改訳私案

Mettasuttaṃ 慈経(Suttanipāta 143-152) 1.Karaṇīyam atthakusalena, yantaṃ santaṃ padaṃ abhisamecca; Sakko ujū ca sūjū ca, suvaco cassa mudu anatimānī. 幸福を目指す人には、静かな場所で為すべきことがあります。 何事にも巧みで、正直で、善にま…

『白木念仏』證空上人(西山国師)御法語

白木念佛(しらきねんぶつ) 自力の人は念佛を色(いろ)どるなり 或は大乗の悟りを以て色どり 或は深き領解(りやうげ)を以て色どり 或は戒を以て色どり 或は身心を調(ととな)ふるを以て色どらんと思ふなり 定散(ぢやうさん)の色どりある念佛をば仕課…

大地震のあと

生じて滅びる性質を持つ 諸行はまさに無常である。 生じては滅びるそれらから [こころを]静めるのが安楽である。 (無常偈) 3月11日、東北地方太平洋沖地震が起きた時は、ちょうど勤務先のゴータミー精舎ではスマナサーラ長老へのインタビューが行われて…

マハーゴータミー長老尼のアパダーナ

今日は諸般の事情で原稿作成の待ち時間が長かったので、久々に写経してみた。マハ―・パジャーパティー・ゴータミー比丘尼(摩訶瞿曇彌。釈尊の養母)のアパダーナ(譬喩)。世尊に先立って般涅槃することを決意した仏母が、息子たる釈迦牟尼に別れを告げる物…

増支部一集より(色等品,断蓋品)

如是我聞。或時世尊在舎衛城祇陀林中給孤独林。そこで世尊は比丘衆を比丘衆と呼んだ。彼ら比丘衆は大徳よと世尊に応答。世尊曰く、比丘衆(Bs)、我はこれほど男の心を占領する体(色)は他に一つも見ない。Bs即ち女の体だ。Bs女の体は男の心を占領する。 AN 1…

釈迦族の滅亡

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『仏陀再誕』は弥勒(未来仏)とも無関係。楳図かずおは天才。

菩薩は必ず出家して「成仏」する ついに公開された映画『仏陀再誕』ですが、「釈迦牟尼仏陀が再誕する」という主張があまりにも無理筋であることに気づいたらしい某教団は、最近、しきりに「再誕の仏陀は未来仏、つまり弥勒仏陀の下生である」ということをほ…

様々な菩薩の奇跡と、ほんとうにすごい“ブッダの十八番”

『希有未曾有法経』(パーリ中部123)という古いお経があります。この世で仏陀となる菩薩が出生する際に現れる、17の奇跡的な瑞祥(希有未曾有法)を列挙した経典です。 前回紹介したこの『希有未曾有法経』(パーリ中部123)について、もう少し読んでみた…

『仏陀再誕』はやっぱりあり得ない(「天上天下唯我独尊」の続きとは?)

お彼岸ですね。 日本では、お釈迦さまがインドのルンビニーでお生まれになったとき、七歩あるいて「天上天下唯我独尊」*1と宣言した、というエピソードがよく知られています。 しかし、この釈尊誕生時のことばには、実は大切な続きがあることをご存知でしょ…

仏法に「秘密」なし。カルト除けにぴったりの名言(増支部経典より)再掲

今年の1月28日に掲載したエントリを再掲する。誰のためとは言わないが、こういう基本原理は何度でも繰り返して周知させないといけないと思う。仏法に「秘密」はない。仏道(修行の道)にも秘密はない。「秘密の教え」を持ちだして人を誘う時点で、仏教ではな…

阿羅漢も迷うこと(ミリンダ王の問いより)

『ミリンダ王の問い』(milindapañhā)というパーリ仏典に、以下のようなナーガセーナ長老とミリンダ大王のやり取りが載っている。 大王「尊者よ、(阿羅漢は)迷うでしょうか?あるいは迷わないでしょうか?」 長老「大王よ、ある事柄については迷い、ある…

般若心経が否定しなかったもの

(般若心経は)空を体得するために、五蘊、十二支十八界、十二因縁、四聖諦、などをことごとく否定していきます。しかしそれらはとても本当は大切な仏教の教えの根幹です。*1 何でも「無」にする『般若心経』が、否定しなかったもの。 それは、釈尊の遺訓に…

常に観察すべき5つの真理

常に観察すべき5つの真理(Dhammacast) 私の本質は老いることであり、私は老いを乗り越えていない。 私の本質は病むことであり、私は病いを乗り越えていない。 私の本質は死ぬことであり、私は死を乗り越えていない。 私の好きなもの、愛着しているものすべ…

仏法に「秘密」なし。カルト除けにぴったりの名言(増支部経典より)

現代社会には「●●聖人から秘密に伝えられた法門」とか「秘密裏に守られてきた奥義」といった代物を持ち出して、無知な人々を洗脳しようとするカルト宗教が跳梁跋扈している。残念なことにそういう連中が仏教を名乗っているケースも少なくない。彼らは「秘密…

三毒(三不善根)と十悪(十不善)

「仏教の三毒」である貪(むさぼり・瞋(いかり)・癡(痴・無知)について、初期仏教・部派仏教では「三不善根」という呼び方をするのが一般的だ。中部9「正見経」(MN9. Sammādiṭṭhisuttaṃ)より、サーリプッタ尊者が十不善(十悪)と三不善根(三毒)につ…

真理とは?(婆羅門真諦経)

こころの解毒も兼ねて経を読む。 あるとき世尊は王舎城のギッジャクータ山に住しておられた。そのとき、数多くの名高き遍歴行者たちがサッピニ河岸にある遍歴者の園に住していた。アンナバーラ、ヴァラダラ、サクルダーイー遍歴行者、およびその他の名高き遍…

『大般涅槃経』に記された「正法」の見分け方(ragarajaさんへの回答を兼ねて)

ragarajaさんから再々反論をいただいた。 Ajitaさんにさらに反論しておこう。2008-12-23 いろいろ親切に教えて下さるのはありがたいが、大乗教徒の言説の矛盾については労をいとわず批判しておくべきだろう。まず、大乗仏教の平等主義云々について。 文献考…

「極楽寺殿御消息」書写完了

鎌倉幕府の連署(執権の補佐)として活躍した北条重時(1198-1261)が出家後に子孫への教訓として記した「極楽寺殿御消息」。今年の五月から少しづつ書写してきたがようやく完了。誤字脱字とかあるかもしれないが、いちおうネット上に全文が載ったのは初めて…

戦争参加・戦争協力の罪(倶舎論より)

阿毘達磨倶舎論をパラパラ読んでいたら、戦争など集団による殺生の罪について論じられていた。こーゆー「なんでも説明」系は有部が強いね。最近は日本仏教の宗派でも戦争協力への「反省」気運が表向きは高まっているけど、油断するとまた「声聞の持戒は菩薩…

四つの観察

一時出家中、パーリ語で毎日唱えていた言葉。在家がかっこつけて真似することもないと思うが、「必要」とはこんなもんだよな、と再確認するためにはとてもよい文章だ。 ◇四つの観察 1 衣の観察 私は、正しく考察して衣を受用します。ただ寒さを防ぐため、暑…

ありえないこと(増支部1集15)

クローバーフィールド観た。エンドロールまで楽しめた。怪獣はグエムル系なのでアレだし、ところどころご都合主義だけど、見せ方が上手。さんざん金かけてハンディカム映画撮るという発想がバカバカしくていい。車酔いしない怪獣映画好きの人なら必見かな。…

佛子行三十七頌

2008-04-12 に紹介した、中国若手知識人、梁文道によるシャープで誠実な論説「チベット問題の最大公約数を探る」は次の言葉でしめくくられていた。 私はテレビで一部の青年僧も先月の事件に参加したのを見た。そして石と棍棒を握っていたのを……彼らの怒りを…

無明と明解脱(増支部経典より)

増支部10集7双品61無明(PTS AN V.113- 南伝22下1-) 1 比丘たちよ、無明の最初は「これより前に無明はなかった、その後に無明が生じた」というふうに知られるべきではない。 比丘たちよ、(私は)このように説く。しかし、「これに縁って無明がある」とい…

実語教(實語教)

昨日、調べ物をしていて偶然見つけた文章。「平安時代末から江戸時代末まで広く用いられた初歩の道徳書*」だと。 「實語教」解説 實語教は平安時代に成立し、鎌倉時代に普及した書物です。儒教色が強く、また対句構成で暗記がしやすかったため江戸時代の寺子…

善語勝利経(Subhaasita jaya sutta)

『善語勝利経(Subhaasita jaya sutta)』は岩波文庫『ブッダ 悪魔との対話 サンユッタ・ニカーヤII』(中村元訳)260p〜に邦訳が載ってます。アスラ(阿修羅)王ヴェーパチッティとスラ(神)王帝釈天との「善語(善なる言葉)」をめぐる歌合戦ですが、そのま…

Cariyaa-piTaka 所行蔵より

夕方までダリダリ。夜になってアビダンマ3巻(心所の分析)編集作業でノリノリに。読み合わせが楽しみだにゃー。 コーサッジャン バヤトー ディスワー, ヴィリヤーランバンチャ ケーマトー KosajjaM bhayato disvaa, viriyaarambhaJca khemato; アーラッダ…

増支部五集第六蓋品より

増支部五集第六蓋品五十九 一 比丘衆よ、老年に出家せる人にして五法を成就せるものは得難し、何をか五とす。 二 比丘衆よ、老年に出家せる人にして聡敏なる(頭が冴えていること)は得難し、行儀の円足せる(行儀がしっかりしていること)は得難し、多聞な…