塩崎雪生氏の書評


以前「天下の奇書」として取り上げさせていただいた『新国訳大蔵経 インド撰述部〈11〉諸経部(2)地蔵十輪経asin:4804380469』をものされた塩崎雪生氏から、拙著『大アジア思想活劇』に書評ならぬ「筆誅」を賜った。

大アジア思想活劇―仏教が結んだ、もうひとつの近代史

大アジア思想活劇―仏教が結んだ、もうひとつの近代史

馬鹿げた本『大アジア思想活劇』。
 昨秋であったか、南伝仏教に対するわが国での受容の事例を知るため佐藤哲朗『大アジア思想活劇』を通覧した。あきれた駄本で、南伝上座部宣揚どころかイカサマ師の行状リストに過ぎず、なんら当方の研究に資するところはなかった。かかる仏教趣味者の手合いの存在意義が当方にはさっぱりわからない。このような駄本の量産はなにゆえになされねばならないのか。真の教説を眼くらまし、愚劣なエピソードに終始することにより、罪悪の上塗りを重ね続けて、果たして何が楽しいのか。(以下略)

いやはや、手厳しいがけっこう図星のところもあるかな。「イカサマ師の行状リスト」「愚劣なエピソード」集というのは、見方によれば確かにその通りだからだ。しかし「田中(智学)にまで言及しておきながら石原莞爾に筆が及ばないのも痴愚の至り」という叱責には、ちょいと首を傾げてしまった。『アジ活』では話の流れからして、石原莞爾を登場させる必然性はないように思う。とまれ、「あきれた駄本」にも関わらず「通覧」していただけたのはありがたい。塩崎氏の次回作も期待しております。


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