植木等さんが亡くなった

植木等さんが亡くなった。享年80歳。母校(東洋大学）の大先輩でもある。1990年にCD『スーダラ伝説』asin:B00005EJBZがヒットしてクレイジーキャッツ及び植木等氏が再評価された頃にちょうど東洋印哲に在籍しており、そのご縁でコンサートに行って楽屋までご挨拶に伺ったこともあった。喜劇人・役者・ミュージシャンとしてのお仕事の他に、『夢を食いつづけた男―おやじ徹誠一代記』を上梓している。同書は浄土真宗（大谷派）の僧侶であり部落解放運動の闘士でもあったお父さん植木徹誠師の伝記。近代を駆け抜けた一仏教者の熱い生き様にこころ揺すぶられる名著だ。復刊されたらぜひ読んでみてほしい。徹誠師が息子の歌うスーダラ節の歌詞を見て「親鸞の教えにあっている。"わかっちゃいるけどやめられない"とは人間の真の姿だ」＊と喜んだ話はよく知られている。東洋大の森章司先生も講義で「煩悩」について説明するときに、スーダラ節の話をよく引いていた。