抜書き

古書店から『新編 磯丸全集』昭和14年愛知県教育会編纂 H9.3.29渥美町文化協会 を取り寄せた。折々に抜書きすることにする。索引もついていて丁寧な本。緒言に、岡田虎二郎(岡田式静坐法の提唱者)が磯丸を絶賛していたと書かれている。

三八、ほうぼうの中よりかきぬきし歌とも 天保十一年

ある人風ひきたるとて、歌こひけれは(177p)
人のみにやとるはおろか風ならは空をふくこそならひなりけれ
月とうさぎをかける畫をみて
照る月にうかれ出てやあそふらんうさきも草の露をはみつゝ

人の身に宿るは愚か風(風邪)ならば空を吹くこそ習ひなりけれ
照る月に浮かれ出でてや遊ぶらん兎も草の露をはみつつ

四二、生ひ茂るの巻 天保十三年
天にまかすといふことを(188p)
つとむれは身はいとやすしけふはけふあすはあすなるそらにまかせて
いたつらにわれとはなさし何こともたゝ天地にまかす身なれは

勤むれば身はいとやすし今日は今日明日は明日なる空に任せて
いたづらに我とはなさじ何事もただ天地に任す身なれば

磯の玉藻
雨具をわすれてよめる(451p)
さしわすれ雨ぐなくては大空を笠にきる身は何かいとはん

差し忘れ雨具無くては大空を笠にきる身は何か厭はん