天の寿を辱とせよ(A3 18)

最近、どういう訳か『増支部経典(アングッタラニカーヤ)』が気になっています。大蔵出版のオンデマンド(OD)版『南伝大蔵経』をまずは増支部から揃えようかなぁ、という気になっている。法数を基準にまとめた編集方針から、アビダルマの先駆だとか比較的後期にまとまったとか色々言われていますが、日本語訳で読んでも、非常に迫力ある、お釈迦さまの声が耳元でガンガン響いてくるような素晴らしい御説法の数々が、「いいか比丘たちよ、これだけはしっかり覚えておけよ」とギリギリまで表現を絞り込んだ珠玉の教えがぎっしり詰まっているんです。今日はそんななかでも、一読して震えが来た一節を写経します。

「比丘衆よ、もし汝等に、外道出家ありて是の如く問はんか、具寿沙門ゴータマは天に生るゝがために浄行に住するか、と、比丘衆よ、汝らは是の如く問はれて辱められざるか、耻(は)ぢざるか、嫌厭を起こさゞるか。」
「然り大徳よ。」
「比丘衆よ、是の如く汝等は実に天の寿を辱(はぢ)とせよ、恥ぢよ、天の色、天の楽、天の誉、天の自在を辱とせよ、耻ぢよ、嫌厭せよ、されば比丘衆よ、汝等は勿論身悪行を辱とせよ、耻ぢよ、嫌厭すべし。語悪行を辱とせよ、耻ぢよ、嫌厭すべし。意悪行を辱とせよ、耻ぢよ、嫌厭すべし。」
(増支部三集第二車匠品十八の全文。『OD版 南伝大蔵経17巻 増支部経典1』186P)

やっぱすげーよ、お釈迦さま。

〜生きとし生けるものが幸せでありますように。〜