「仏教的」経営コンサルタント

今週のダンマキャスト(スマナサーラ長老の法話ポッドキャスト)は5月24日 「上座仏教教室」の質疑応答より。録って出しだよん。

日本の企業には不自然、アンバランスというものがよく見られるのです。我々は自然法則を壊しているのですが、自然法則を壊したら確実に負け。わたしたちが「自然」そのものだからね。

自然の流れは、限りない人間の妄想どおりにはなりません。企業活動も、法則(ダンマ)にのっとって行わなければならないのです。どんなに欲張って利益を追求しても、自然法則には逆らえません。自然の法則をそのまま見届ける落ち着き、冷静さ、が不可欠です。

自然法則に逆らって生きると、限りない苦しみに襲われます。それで能力も低下してしまうのです。経営者が冷静さを失ったとき、感情的になったとき、企業は危機を迎えます。事実を見ても例外なくそうです。儲けてやるぞ、儲けてやるぞ、と自然に逆らって妄想で欲を出したとたんに、「もうあなたはいりません、この宇宙から」とお払い箱にされるのです。

自然法則には「均衡性」を維持するはたらきがあります。だから何も不可思議なことは起こりません。妄想がそこに割り込むと問題が起こるのです。自然法則を壊して欲を追求しても、自然法則は壊せない。自然法則を壊そうとした人が壊れるのです。無常を理解して、冷静になることが勝利の道なのです。

人間は欲や怒りでかなり無駄遣いするんです。政府をはじめとする恐ろしい無駄遣い、それを指摘されても、わざと問題を複雜にしてさらに無駄使いを増やすカラクリをする。「節約の知恵」の欠如が日本社会を深く蝕んでいます。仏教は無駄遣いを禁止しています。浮いたお金があったら、人助けに使ってください。それで貴方は幸福になりますよと。

常に冷静に、常に明るく、笑顔を絶対に絶やさないこと。儲けるコツは、明るさにあるんです。人はどうせ何かを買うなら、明るい人から買いたいんです。仏教的には、「儲け主義」自体がダメです。我々は社会に対して何かをしてあげる。してあげたら、それなりの見返りは社会も与えてくれる。それが正しい商売です。

仏教徒は、利益の数字ではなくて、「自分が社会に何をしてあげたか」ということに必死になるんです。「自分が何をしてあげればいいのか?」と思った時点で、自分の向上も成り立ちます。

経営者が管理できるのは「(社会のために)してあげる・貢献する」セクションです。「貰う」セクションは管轄外なのです。貢献主義で正しく仕事すれば、「貰う」ものは、法則でついてくるもの。どんな業種であっても、この法則は同じことです。

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〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜