宋文洲さん
本と言ってもウェブでも読めるメルマガだけど。
以前日経BPのサイトで時評を読んで妙味を持ち、バックナンバーも読み漁っていた。
メルマガもずっと愛読している。最新号の「高く買って安く売る人達の欲」の言葉は辛辣だ。
(前略)
不思議なことに損を気にしない人のほうが儲かるのです。不思議なことに株価の変動に一喜一憂する人は儲かりません。不思議なことに欲を抑えられない人は儲からないのです。しかし、人々はよく誤解するのです。儲かる人はきっと欲の強い人だと。儲からない自分はきっと無欲だと。
(中略)人間社会には欲がなくなりません。無法の欲が社会を蝕みますが、法とモラルの抑制が効いた欲は、むしろ文明の原動力となります。しかし、無欲を装って欲を飾る風潮は、決して社会をよくすると思えないのです。
「無欲を装って欲を飾る風潮」というのは、人間の「自分騙し」心理そのものではないか。詳しくはスマナサーラ長老の『ありのままの自分―アイデンティティの常識を超える』を読んで欲しい。
ありのままの自分―アイデンティティの常識を超える (お釈迦さまが教えたこと)
- 作者: アルボムッレスマナサーラ,Alubomulle Sumanasara
- 出版社/メーカー: サンガ
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
その一号前の、「停滞が確実に起きる時」に曰く、
財政赤字、少子化、東京への一極集中。社会の停滞を招く構造問題にはすべての人が関わっているのに「まじめに働いている」ことにあぐらをかき、問題の深刻化に加担しているのです。
「まじめに働いている」ことにあぐらをかき……というのは、スマナサーラ長老も常々仰られていることだ。日本人の美徳は「勤勉」だと言われてきたが、その勤勉さを精神のなまけの口実にすることで、社会基盤そのものを破壊するような「思考の停滞」を引き起こしているという。
この無駄の原因は勤勉さの欠如ではなく思考の停滞です。思考の停滞こそ、変化への対応力を弱め、改革の勇気を削り、働いても報われない現象をもたらします。
- 作者: 宋文洲
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/04/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
愛読してた日経BPサイトの連載をまとめた単行本。コメント欄はけっこう荒れてたけど、ひるまない姿勢がよかった。
〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜