劇画:白隠和尚物語/一休道歌など
劇画『白隠和尚物語』辻井宏寿(全五巻 禅文化研究所)
面白かった。白隠和尚の逸話はゴテゴテした劇画が似合う。辻井宏寿氏は他に目立った作品こそないようだけど、素材に惚れ込んで伸び伸びと描いている感じ。全巻厭きさせないが、画力が満ち満ちているのは、小悟のあとの慢心と挫折を描いた4巻(asin:4881820907)あたりかな。正受老人の「妄想情解(もーぞーじょーげ)!」がツボにはまってマイブーム。
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凡例六首
おもしろき一休さんの法(のり)のうた ここに集めてのちに残さん 編集意義
一休が詠むか詠まぬか知らねども その名ふされし歌のかずかず 真偽不問
蜷川やともにうたいしその人の 作も収めて味わい深し 連歌共載
底本の一字一句はそのままに 文字をかざりて書きうつしけり 編集方針一
今の世の仮名に直して読みやすく 賢(さか)しき注は恥の書きすて 編集方針二
忘れてもすぐに元句にたどりつく 索引付すは老婆心切 各句索引
いいね。『狂雲集』はもはや歯が立たないが、和歌を通してなら、室町の一休さんと現代の僕と、まだかろうじて文化的紐帯が繋がっている。江戸時代に作られた集合無意識的な仏教ヒーロー・一休さんもまた、歴史をつなぐ大切な媒介だ。(勿論、昭和のアニメ一休さんも。)
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白隠禅師の僧俗の弟子の逸話集。いいね。
〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜