渋谷・コクーン歌舞伎「東海道四谷怪談」

ここ数年奥さんと毎年観ているコクーン歌舞伎。第七弾にあたる今回は東海道四谷怪談(串田和美演出 中村勘三郎・他出演)。二つあるバージョンのうち、全段通し上演の「北番」を観た。忠臣蔵とリンクした場面は冗長だったけど、全編通して、まったく救いようのない幕末下層社会の人間模様がヒリヒリと伝わってきた。勘三郎がお岩さんと直助権兵衛の二役だったこともあり、クライマックスも仇討ち・復讐とゆーお約束の展開とは違っていた。しかし登場人物が文字通り「奈落の底」にボッタンボッタン堕ちてゆく大詰の演出は、因果応報の恐ろしさを感じさせるもので、迫力がありました。ちなみにお岩さんは子年生まれとゆーことで、巨大ネズミが復讐劇に大活躍します。猫も出てきますが、いいとこありません。もうひとつのバージョン「南番」の方は子供も退屈しない内容だそうです。チケット取れそうなら、是非是非ご覧になるといいと思います。