八世間法について
翻訳の仕事をしている方からメールで eight worldly conditions の訳語について質問を受けた。
以下、その回答。
メールありがとうございます。
英語は得意ではありませんが、たまたま資料があったので、お答えします。
eight worldly conditions の訳語は、八世間法(はちせけんほう)です。
元のパーリ語(経典の言葉)は aTTha-loka-dhamma (アッタ・ローカ・ダンマ)です。
世間法には、他に
worldly conditions,worldly vicissitudes といった訳もあるようです。
項目の訳としては、
1.利(利得)
2.不利(損失)
3.名誉
4.不名誉
5.非難
6.賞賛
7.楽
8.苦
といったものが一般的です。
八世間法というのは、世の中の人々(覚っていない人)が一喜一憂する項目(法)を八つにまとめて列挙した教えです。
利得や名誉、賞賛や楽に舞い上がって溺れたり、損失や不名誉、非難や苦に打ちひしがれて落ち込むのが凡夫(一般人)の生き方です。
それらの浮き沈みに心動かされずに冷静に安らかにいることが聖者の生き方と言われています。
「世間のものごと(loka-dhamma)に触れても、心が動揺しないこと、
憂いがなく、汚れがなく、安らかであること、これが最上の吉祥です。」(スッタニパータ 吉祥経)
という経典の言葉が、よく知られています。
以上、参考になれば幸いです。
〜生きとし生けるものに悟りの光が現れますように〜