書物の運命〜夢酔独言〜山本玄峰

書物の運命

書物の運命

同世代の書き手として注目してる池内恵の『書物の運命』をバラパラめくる。「抜き書き勝海舟語録」の項を読むうち、久々に海舟と父ちゃん勝小吉の禁断症状が……。

夢酔独言 他 (東洋文庫 (138))

夢酔独言 他 (東洋文庫 (138))

夢酔独言 (読んでおきたい日本の名作)

夢酔独言 (読んでおきたい日本の名作)

勝小吉の『夢酔独言』は個人的には日本の古典のマスターピース。読んでると声が聴こえてきて内容もハチャメチャで面白いから。「読んでおきたい日本の名作」に入れてる教育出版は偉い。偉いので平凡社ライブラリ版とあと一冊持ってるけどまた買ってしまった。

海舟語録 (講談社学術文庫)

海舟語録 (講談社学術文庫)

これも持ってなかったので買った。来週は口調が江戸弁になりそうなので、電話出るとき気をつけないと。

無門関提唱

無門関提唱

ついでに書くけど一時出家中、スマナサーラ長老がスリランカに帰国されている間、心の支えとゆーか座右の書になったのは山本玄峰老師の『無門関提唱』だった。最晩年の講話集。実はまだ読了していないんだが、これが先述の『夢酔独言』とか宮元常一『忘れられた日本人』とか明治時代のインタビュー集『唾玉集』なんかにも通じる痛快な面白さなのである。しかも仏法の捉えかたがひじょーに現代的。ふつうの仏教書を読んでも絶対に出てこないようなインサイダー情報の宝庫でもある。仏教書はちょっと……と食わず嫌いしている人文書中毒にもおススメだ。タイムマシンがあったら、スマナサーラ長老と対談して欲しいわ。こりゃぁ、二十世紀最高の禅籍かも、と惚れた欲目で思っているところ。

門より入る者は是れ家珍にあらず。縁によりて得る者は始終成壊す。(『無門関』自序)

再来―山本玄峰伝

再来―山本玄峰伝

数年前に出た伝記もまためっぽう面白いので、どうぞ。

田中清玄自伝

田中清玄自伝

山本玄峰老師の在家弟子としても知られる“フィクサー”田中清玄の自伝。昭和裏面史を語る上で欠かせない怪著。

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