ブッダの幸福論

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ブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書)

ブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書)

スマナサーラ長老の新刊『ブッダの幸福論』(ちくまプリマー新書)が発売された。学芸大でのミーティングの後、駅前の書店や渋谷紀伊国屋などをチェックすると、新刊棚に入っていた。プリマー新書は2冊目。昨日、夜中に帰宅してからあらためて読み返したが、眠気がふっとぶほどいい本だった。特に第1章「生き方」はどうすればわかる?はもっとも紙数を割いている章だが、内容的にもとりわけ重要だと思う。小見出しを上げておこう。

生きる方法を知らない/「生きている」証しは充実感/一日の大半は「やりたくない」こと/「楽しくやろう」が本能/暗くなることが「大人になること」か?/大人になる途中で落とす宝物/苦しむ人からは能力が逃げる/友達づくりもひと苦労/「楽しく生きる」は生命の基本/生きる必須行為が三つ/生命に普遍的な行為/どうせ学ぶなら楽しく/「勉強がつまらない」は法則違反/「生命との関係」が生きていること/関係を持たないという関係/狭い見方では頭が悪くなる/「殺してしまえ」はナンセンス/自然のおかげでなんとか生きてる/生きることの神聖さ/無駄遣いもイライラも関係への無知から/「生きる意味」に悩んではいけない/好き嫌いは成り立たない/人生には選択肢が確保されている/「好き・嫌い」より「できる・できない」が肝心/あなたの能力を社会が買ってくれるか?/満点でできる仕事が人生に喜びをくれる/楽な仕事ではなくて「楽しみな仕事」/生きる意味を探すとみじめ/知識で役に立つ「関係」を築く/「金になる」思考で不幸になる/仕事の評価は「生命への貢献」度ではかる/「趣味は仕事」ならば幸せもの/充実感をもってしっかり生きよう/しっかり生きることに苦労は無用/関係のなかで人が助かる/生きる能力を磨くことが勉強/自分のできることをする人が立派な人/生きることは神聖なネットワーク

このような第1章のはなしを踏まえて、具体論として第2章では五戒と四摂事、3章では慈悲喜捨のこころの育て方について詳しく解説してゆく。4章からあとがきにかけては、死と輪廻についてまで踏み込んで「生きることを乗り越える」ブッダの出世間の道へと読者をいざなう。老若男女を問わず現代人が抱える「生き方」についての迷いをきれいに払いつつ、生そのものへの「健全な疑問」つまりブッダの智慧へのアクセスポイントも用意している。仏教の幸福論は決して世間論では完結しない、という視点を忘れないあたり、スマナサーラ長老にしか書けない『幸福論』ではなかろうか。

『ブッダの幸福論』主要目次

序 章 ブッダの生きた幸福の境地
第1章 「生き方」はどうすればわかる?
第2章 正しい生き方をやってみる
第3章 慈しみの心を育てる
第4章 人生に意味はあるのか?

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〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜