ゴーサナンダ師(カンボジア高僧)逝去
内戦とポル・ポト支配下の自民族大量虐殺・伝統文化絶滅政策によって荒廃したカンボジアで、仏教復興と国民融和に尽力されたテーラワーダ仏教僧侶マハー・ゴーサナンダ大長老(Samdech Preah Maha Ghosananda 1913?-2007)が12日、アメリカ合衆国マサチューセッツ州の病院で逝去された。以下に引くニューヨーク共同の記事では名前が「コーサナンダ」となっており、唯一の邦訳書では、「マハゴサナンダ」と表記している。カンボジア訛りでどれが正しいのかわからんが、パーリ語読みでは「マハー・ゴーサナンダ」だろう。(追記:検索でヒットするのは「マハ・ゴサナンダ」か、「マハ・ゴーサナンダ」。asahi.comの記事は前者だった)
カンボジア南部タケオ州生まれ。43年に得度。博士号を取得したインドの大学で日本山妙法寺の藤井日達山主(故人)らに師事した。78年以降はタイのカンボジア難民キャンプを訪問し、寺院を建設、ポル・ポト派による虐殺と内戦で荒廃したカンボジアで、非暴力による平和の実現を訴えた。
欧米など世界の宗教関係者との交流も深め、88年にはカンボジア仏僧の最高位に。「カンボジアのガンジー」とも呼ばれ、ノーベル平和賞候補としても名前が挙がった。92年からは戦闘が続く危険地帯を歩き、和解を訴える平和行進を主催。広島や長崎も訪れた。(ニューヨーク共同)
ソース:西日本新聞ウェブサイト2月15日
日本山妙法寺とも関わりが深かったようだ。1998年には第十五回庭野平和賞の受賞に伴い来日。原爆被爆地の広島・長崎を訪問されたのはこの時だ。その他、Ghosananda師のバイオグラフィはwikipedia英語版に載っている。ご尊顔はお地蔵さん系。20世紀の後半期、この世の地獄を見たカンボジアの衆生(師の家族全員、無数の友人、および弟子たちもポル・ポト派によって虐殺された)を慈しみ励ます、実にお地蔵さんのような存在だったのだろう。
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