女性が多い職場(営業先)でのストレス/引きこもりの息子について(スマナサーラ長老の法話より)

Q:女性が多い職場(営業先)でストレスを感じている男性の悩み。

A:女性はすごく怖い存在です。相手の立場を気にせず文句をいうのです。女性が多い職場で生きるすべがあります。女性は男の言うことを聞かないのです。ですから、ぶつからないようにしないといけない。あくまで女性を立てないといけないのです。

お釈迦さまも同じことおっしゃっています。女性との関係に悩んでいた男性に、女性をいつでも立ててあげてください、褒めてあげてくださいと。そのための能力は男性が持っていますよ。年をとっても、世界で生き延びるために男性はその能力(女性を立てる能力)だけは失ってはいけないのです。

嘘やと思っても、男性にうまく褒められると女性はのりますよ。ただ仕事すればいいわけではない、プラスアルファが必要なんです。ちょっと一言挨拶をするとか、ちょっと相手のことを気にするとか。すぐ笑ってくれる人がいるなら、笑わしてあげるとか。そうやって何とかしなくてはいけない。

もっと簡単な言葉でいえば、職場のおばちゃんに「モテる」ことを考えて下さい。

あなたの問題は、仕事を楽しんでいないことなんです。これから、仕事を嫌だなと思って怠けることを考えるのではなく、仕事を楽しむことを考えて下さい。仕事はいつでも止められるけれど、仕事を楽しめない人にとって、どこに行っても人生は最悪です。

ストレスで体調を崩して医者に行く。医者には車(身体)は治せますけど、ドライバー(心)は管理できない。いくら車を完璧に修理しても、ドライバーが下手くそだったら話にならないでしょう。みんな心の使い方を間違えて大失敗していますよ。

 

Q:息子のこと。大学卒業後、就職。うつ状態。会社やめた。アルバイト。311後、不況で失職。求職の気力もない。去年夏に自宅に帰ってきた。以来、引きこもり。

A:引きこもりは精神的な癌です。責任を持たせて、家の仕事を増やすことです。でもそれで万々歳ではない。社会に出て行かないといけない。生命には何かやりたいというエネルギーがあるんです。引きこもりは精神癌だから、コンピューターのような安心なことしかしない(したがらない)のです。

だから責任ある仕事をさせないといけない。買い物とか料理のような責任感が必要なことです。やけにほめることはない。ちょっと助かりましたよと。動物が子育てに失敗しないのは、世界は安心だと教えられていないからです。ちょっと失敗したら貴方、殺されますよと教えられている。人間だけは世界が安心だという錯覚、妄想概念でやられてしまうのです。

我々は粘り強い精神を作らなくてはいけない。強い精神が育つのは、世界はヤバイと思っている時だけ。親の願いは子供が自立することだと、子供に理解させて欲しい。できることを教えてあげて下さい。仕事ってキツイに決まっているんだよと。自分の経験を大げさにふくらませてでも、社会の厳しさを。でも自分はめげなかったと。成功は一つも言わずに、いかにやられたかと。言ってみてください。

精神癌だから、治るまでは家の仕事をさせることです。責任ある仕事をやって、うまく行ったという経験で徐々に心が治っていく。人生はいつでも厳しいもの。戦って戦って何とか生きていられるだけ。しぶとくなければ。日本にこういうケースが多いのです。スリランカでは引きこもりはない。安心できます、ということはないからです。

何とかして仕事を探さないといけない。仕事在ってもすぐクビになるかもしれません。日本はオープン社会ではないのです。家族という二三人のグループで生きていると、広い世界に行けなくなる。仏教で言うように、オープンな社会で子育てをしないといけない。いろんな人の所に遊びに行って、育ててもらって、社会は競争して生き残って行かなければいけないと学ばないと。これは残念なことです。

日本は子供が減って老人社会になって、しかも若者は仕事ができないんだから。社会は厳しいことを学んでもらって、しぶとく生きていく能力を身に着けて欲しい。はやく治療したほうがいい。うつ状態になってもいいけど、一日で終わりにして欲しい。一日以上続くと危険です。

時々嫌な気分になることもあるでしょうが、一日で立ち上がること、翌日の朝には持ち越さないことです。「こんなこと気にするもんか、負けるか!」と、一日で破らないとどうしようもない。社会は怖いんだぞと。怖いから逃げるのではなく、しぶとくなれと。

(2012年4月14日AM ゴータミー精舎での質疑応答メモより)

 ※Facebookのノートにメモしていた文章をブログで順次公開していきます。

~生きとし生けるものが幸せでありますように~