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社会の破滅を止めるブッダの智慧~お釈迦さまのリーダーへの教えに学ぶ~(スマナサーラ長老の法話より)

はじめに

人類は仏陀から学ぶしかないのです。世界で初めて、「生命」というタイトルで教えを語ったのは、お釈迦様です。一切の差別なく語ったのです。矛盾なく語ったのです。人間の認識にはハンディがあります。認識のプロセスで、ただしく認識できなくなっています。主観で判断してしまうのです。ガタガタの思考で何を議論してもうまくいかないのです。

 

Leadership

仏教では、因果法則が真理だと説くので、絶対的神の概念は怯えている愚か者たちの妄想概念だとするのです。神であろうが、人間であろうが、他の生命であろうが、皆、本来平等なのです。全ての生命に平等に生きる権利があります。他が生きる事を助けてあげれば、自分も助けられるのです。因縁によって成り立つので、差はあるが、差別は不可能です。

 

西洋型の政治論は、絶対的縦の関係を元にして成り立っています。支配者・被支配者という二分化した組織は不自然です。個人のこころは自由を求めているので、支配者組織は常に攻撃に備えなくてはならない。これが現代社会の最大の問題でもあります。

 

民主主義の誤魔化し

Democracyは人気のある言葉ですが、現実的にはこの世で存在しない政治制度です。民主主義は一部の人々の間で起る、醜い権力争いに化けているのです。庶民は昔も今も管理されています、操られている存在です。

 

成り立たないリーダー

生命は平等なので、本来ならリーダーなど成り立たないのです。何でも管理したがる、支配したがる、他に命令したがるこころは病気です。精神病が末期になると、独裁者になって、庶民を虐めるのです。精神病の人に面倒見られて、幸福になれますか? 

 

誰が政治を行う?

人間の能力は様々です。皆を心配して幸福になるように導く能力がある人は、人々のリーダーとして仕事をするべきです。(パーリ語では、ただ「先輩」という意味。) なるべくして適性ある人が自然にリーダーになるのです。仏陀が理想とする政治家は、国民に対して「親」の気持ちを抱いているべきです。(ブッダは王権神授説を一言で否定) 王・権力者を神の化身として拝むのはおかしいことです。親は家族を支配しているのではないのです。家族を心配して守っているのです。幸せに導いているのです。

 

智慧が欠かせない

世界はいつだって大変です。社会は、人間は、常に何かの問題を抱えています。その状況を把握して、瞬時に、皆のために最善の判断ができるなら、それがリーダーとしての智慧です。リーダーに判断ミスがあってはならないのです。

 

判断する能力

情報知ること、知識があることなどは基本的ですが、それは知識人や専門家などのアドバイスを受ければ済みます。しかし知識人・専門家はある角度でしか物事が見えないのです。リーダーは全ての意見まとめて最善の判断をする必要があります。

 

正しい判断

仏教は正しい判断について厳しいのです。人の人生は全て、判断によって左右されます。長部「梵網経」の64見はこの世に現れ得る判断ミスを網羅しています。インドの修行者たちは判断の間違いで真理を発見できなかった。仏陀が解脱に成功したのは、客観的に正しい判断に達する能力があったからです。

 

判断を妨げる4つの原因

1 Chanda 個人の好み。

人には個人として色々な好みがあります。特に人は自分の思考に強烈に執着する。判断を自分の好みに合わせると自分勝手な主観的なものになるのです。それは大衆のためにならないのです。

2 Dosa 怒り。

世界の政治家は、よく怒りで判断しているように見えます。怒りの感情があると、状況を具体的に把握することができません。その判断は必ず誰かを不幸にするのです。

3 bhaya 怯え。

怯えて、恐怖感に覆われて行う判断は、断然間違いです。怯えは色々ですが、怯えで判断する時は、多数の幸福より身の安全が優先になります。

4 moha 無知。

情報を知らない、理解できない、分析できない、先が読めない、閃きがない、疲れてる、皆うるさい、大したことではない、一か八かやってみないと分からない、などの感情で判断することです。仏教では五分五分の判断は反対するのです。それは勇気ではなく、無知です。真のリーダーはの四つの原因を止めるのです。幸福になりたければ、一人一人がこの四つに気をつけることです。

 

判断の仕方

●問題に強烈に集中する。原因を見出す。

●達すべきvision,object,purpose,targetを考える。(いま日本国をどうするかというビジョンがない。)

●自分の事も他人の事も一時的に忘れる。

●メリットは最大で、デメリットは最小であるように、客観的に判断する。

●「如実に、ありのままに観る」という教えです。 

 

敵・ライバルから)身を守る。

リーダーにライバルが付きものです。リーダーになる事は、ライバルを作る事でもあるのです。より良いリーダーに成長すると更に巧妙な攻撃を受けます。人々は相手の欠点を見抜くメガネしか持ってないのです。

 攻撃に攻撃で返すことは仏教的ではありません。負けることも認めないのです。個人が罪のない、間違いない、法律に触れない、疑わしくない生き方をすること、(小さい時から道徳を守ることは自分の身を守ることになる。堂々と生きられる。)道徳を重んじて生きることです。道徳的な人間に攻撃をかけることは無理です。ばれたらマズイものがあってはならないのです。

 

motivation

皆の幸福のために、良いことに挑戦してみたい。それが唯一のモチベーションです。それで道が見えてきます。一切の生命の幸福を願うことが、最善なのです。リーダーはその願いをいくらか実行しようとするのです。自分の利益、権力、人気など考えるならば、リーダーの資格はありません。

 

仏陀の民主主義

ブッダは何主義でもないのです。しかし大衆を管理する方法としては「皆、平等」という立場を貫くのです。判断は全員一致でなければ、民主主義ではありません。「多数決は止むを得ず」です。(頑固な人がいたら、一時的にその人の資格停止する。)多数の意見を優先にするのも残酷です。

 

菩薩道

仏教の政治論を調べると、政治家の生き方は菩薩の道と合わせているのです。自利よりも利他を優先にするのです。人のリーダー的な存在になる事は在家の修行の道でもあります。道が正しければ政治活動は大きな徳を積めます。権力に酔う、贅沢に溺れる生き方ではなく、かなり大変な道です。

 

優先する意見は…

理性ある人、慈しみある人、客観的で実行できるビジョン持っている人、賢者の意見を優先することです。大衆がすべて知っているわけではないのです。

 

民主主義国家が衰退しない決まりは七つ教えられています。

1よく会議おこなう。勝手なことせず何でもよく話しあって決める。

2いつでも和合して行動する。

3昔からある大事なルール守る。

4賢者・先輩敬いアドバイス聞く。

5女性を守って、女性の意見を大事にする。人間を育てるのは、政治家ではなく、女です。

6人々の信仰・霊地・習慣など大事にする。(信仰の自由と適切な協力。)祭りへの参加は政治家の義務。国民の鼓動を感じることです。

7心清らかで煩悩無くして智慧を完成している修行者たちを尊敬しアドバイス受ける。仏教は信仰型宗教に反対です。智慧を完成した聖者の言葉は皆に幸福をもたらすのです。ですから、ブッダの教えに耳を傾けた方がいいのです。

 

七不衰退法

1.良く、会議を行なうこと。(勝手に行動するのではなく、皆と話し合って、決めるのです)

2.和合して、集まる、和合を保って議論する、和合を保って解散する。

3.昔からある大事なルールを守る。大胆で新たなルールを決めて今の生き方を壊さない。

4.賢者、経験者、先輩、長老たちを敬う。耳を傾ける。アドバイスを頂く。

5.相手の気持ちに逆らって、娶ることはしない。(女性を守りなさい。意見を大事にしなさいという意味です)

6.人々の信仰、霊地、習慣などを大事にする。(信仰の自由と適切な協力)

7.心を清らかで、煩悩をなくして、智慧を完成している修行者たちを尊敬したり、アドバイスを受けたりすること。

(※パワーポイントのテキストより)

 

保守主義の弊害

保守主義はいけない。怠け思考です。一切は無常です。変わるものは「変える」こともできるのです。人間・生命の幸福になるように調整することです。適応するのは一般人です。より良い方向に変える事はリーダーの仕事です。

 

怠けている人間は保守主義が好きです。権力者、資産家は現状維持が好きです。現代保守主義は民をバカにしているのです。時代の流れに揺らがない、普遍的で、皆の幸福と平和をもたらすものは守ります。しかし、社会は常に前を進まなくてはならない。成長にストップはありません。 

この世で停止しているものは何もありません。全ては常に、絶えず、変化して流れて行くのです。昨日と今日は同じではないのです。手を加えても、加えなくても、全ては変わってしまうのです。変化するものに逆らうと、変化が激しくなって破壊するのです。 

変わるものは、「変える」ことも出来ます。勝手に変わったら困るので、人間の、全ての生命の幸福になるように、社会、生き方、経済活動、政治制度などを調整しなくてはならないのです。変化する環境に適応するのは一般人です。より良い方向へ変えるのはリーダーです。

(※パワーポイントのテキストより)

 

幸福とは?

金でも、物質でもなく、こころにあるものです。こころの安らぎを持って生きられることが幸福です。生きとし生けるものが幸せでありますように。

 

経済的豊さだけが幸福ではありません。ものがあり溢れると、かえって息苦しいのです。こころの安らぎを目指すべきです。金と関係がなく、微笑んでいられること、互いに思いやりがあって、互いのことを慈しんで、皆、仲良く、平和で、穏やかに生きることが幸福なのです。

 

世界は火の車です。儲けることしか考えていません。利益を上げることが聖なる目的で、人間の生活は二の次です。欲、怒り、憎しみ、傲慢などの感情が世界を支配しているのです。全て、物質優先ですが、生きている環境も破壊しているのです。

 

(Q:これからの社会はどうあるべきか?)

すべての生命には生きていくためのニーズがあります。欲にはリミットがないですが、ニーズにはリミットがあります。(欲を暴走させる資本主義の時代から、)小欲知足の時代にならないといけないと思います。

 

(Q:放射性物質で汚染された食べものへの不安について)

繋がっているこの世界で自分たちだけ助かるというのは成り立たないことです。しかし子供達は守らなくてはいけない。我々のような老人は癌になる前に死ぬでしょう。気にして心を病んでいけないのです。それは「第二の矢」に撃たれること。心を病んで苦しみを増やしてはいけないのです。(終わり)

 

( 2012年1月19日衆議院第一議員会館地下ホールでの講演メモ)

 

 ※Facebookのノートにメモしていた文章をブログで順次公開していきます。

テーラワーダ仏教「自ら確かめる」ブッダの教え

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~生きとし生けるものが幸せでありますように~