世俗佛法をば寂にして滅絶すとおもへり、道はもと生滅なし。(沢庵和尚の法語より)

沢庵和尚の「東海夜話」より。無常偈(諸行無常・是生滅法・生滅滅已・寂滅為楽)の解説です。

一、世俗佛法をば寂にして滅絶すとおもへり、道はもと生滅なし。然るを衆生、生滅の相となりて、悟るときは則ち生滅の二つともめつして寂滅の體現前す、これをたのしんで寂滅為楽と云ふ、滅絶の義にあらず。道の體寂にして、ものゝ滅死の體のごとく、寂静にいたりて、猶滅如と謂ふがごとしと謂ふ。衆生のまなこ生めつをはなるヽときは、則ちじやくめつ現ぜんす。生めつは末なり、じやくめつは本なり、凡夫はすゑを見てもとを見ず、此の本かんじてすゑにきたる、千変万化するとも、そのもとは湛然とつねに寂としてへんぜざるなり、これを指して以て寂めつとす。迷ふときは則ち生めつを見、さとるときは則ち生めつ滅す、さとりて生めつの二つともに滅しをはつて、寂めつ現前す、これをさとりて楽みとすると云ふ義なり。諸行は無常なり、これ生めつの法なり、生めつ滅しをはつて寂めつを以てらくとなすと云ふ。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション - 禅門法語全集 : 詳註邦文. 第1巻

 

不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7)

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沢庵禅師逸話選

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日本の禅語録〈第13巻〉沢庵 (1978年)
 

 

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