宇宙の法則に身を任すとは?/教えの理解から本格的な修行へ(スマナサーラ長老の法話より)

Q:宇宙の法則に身を任すとは?どのように身を任すのか?

 A:宇宙といっても我々が知っているのは物質的な宇宙です。それは我々にはどうしようもなく法則で動いている。自分のものというのは自分の精神であり心です。そこは誰にも管理できない。そこは、自分で育てるんです。我々は一秒単位で歳をとる。どうすればいいんですかね? 放っておけばいいんです。肉体に関する不安に囚われるのはバカバカしい。しかし心は自分のものなんですね。それは物理世界の法則と関係なく、心の法則がありますからね。そこは適当(適切)に育てるんです。

シンプルな言葉でいえば、肉体的に美しい人間になることは放っておいて、心が美しい人間になるように頑張るんです。肉体は最初から材料が決まっているから、ちょっとしたごまかししかできない。お化粧やお洒落だけが人生じゃないんだから。心をすごく美しくすることが、我々にとって唯一大事なことなんです。物質は我々ががんばろうが頑張るまいが、宇宙の法則によって変化していく。地球の自転は宇宙の法則です。それに対してどうする? どうしようもないでしょう。そこは管轄外。私たちは地球が自転しているんだということさえ知らないし。知っているのは太陽が移動しているんだということだけ。それで昼があって夜があると。昼には身体の働きが変わる、夜にはまた変わる。そこは放っておいて、清らかな心を作ることに日夜頑張るんです。「宇宙の法則に身を任す」という言葉で、私はそういうことを言ったんです。

 

*教えの理解から本格的な修行へ

人間の性格には修行・冥想でしか治らないところもありますが、そうではなくて冥想する前によい人間になってもらわないと。「修行でしか人間は治らない」というのは恐ろしい話。それは人間を捨てることになる。なぜなら、人類全体から言えば、修行したがる人なんかほとんどいないからです。一面的に決めつけたがる人はそう言いたがります。しかし、どんな人間にも考える能力がある。ものごと調べる能力もある。そういうことで理解する。理解がいい加減だった理解もしっかりする。それでも足りなければさらにデータを調べて納得することになる。そこまでやってもどうも根本的に自分の心が何か違うなぁとなったら、そこで修行するということが入ってくるんです。自分なりに人格向上するために、ちょっとした目標を定めて、理解して調べて、納得行く方向に頑張る。それは人類、誰にでもできること。そこで一部の人は、これだけでは自分はちょっとマズイですよと気づく人がいる。そこで、仏教は心を完全に清らかにする方法がありますよ、と修行を教えてあげるんです。

スマナサーラ長老との質疑応答メモ 2011年11月23日ゴータミー精舎にて)

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