古書に曰く、「記誦の学は人の師とするにたらず」と云云。(沢庵和尚の法語より)

沢庵和尚の「東海夜話」より。自戒としたい言葉ですね。

 一、古書に曰く、「記誦(きしょう)の学は人の師とするにたらず」と云云。今の世名を発する者は見たることを能く覚ゆる生れつきを以て、その誦する事良馬の行くがごとく、以て人の耳を驚かす。それ難問をするにおよんでは、少しも聖理を知ることなし、まことに記誦の学たる者乎。より聖理を窮めることは記誦の才にあらず、理はもと言にあらず、言を閉て心以て会(ゑ)す、こゝろもつて会して後に言以て顕はす。心以て会せずして言妄りに発す、豈(あに)人の師たらんや。(巻之一)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション - 禅門法語全集 : 詳註邦文. 第1巻

不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7)

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沢庵禅師逸話選

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日本の禅語録〈第13巻〉沢庵 (1978年)
 

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