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儒道には自然と云ひ佛法には因縁因果と云ふ(沢庵和尚の法語より)

久々に沢庵和尚の「東海夜話」より書写してみた。仏教の因縁因果の教えを分かり易く解説しているくだりです。

一、或人曰、「天地のことは物をこしらへて成すことにあらず、只自然なり、しぜんなるに依りてやすし」と云ふ。我れ此において説いて曰、「何事も前にこしらへずしてひよつと出生するならば、是れを自然とも云ふべし、前にこしらへて時至て出現することはみな因縁なり、しぜんにあらず。儒道には自然と云ひ佛法には因縁因果と云ふ。今汝が云ふ天地のことは、こしらへずして自然なりと云ふ、我今言ふところ、天地萬物皆こしらへて出たるものなり、此れを以てしぜんに非らず、因縁なりと云ふ。天地のことはこしらへず、自然なりと云ふは然らず、立春正月の節至りて春の色あらはるゝといへども、十一月の中、冬至よりはや一陽来復して、こしらへ立て、正月の節に至りて、その色を顕はす者也。前置なくして、正月の節に俄に其色あらはるゝにあらず、冬至よりこしらへて、立春に至るを因といふ、立春以後春の色顕はるゝを果と云ふ。これによりて佛法には因なくして果有ることなし。物は種を植ずしては天も生ずることなし、種をおろすを因といひ、生じて実るを果といふ。因果の果は菓の義なり、人盗をなす、天に盗の性あらず、人自ら盗をす、何事も天也と云はゞ、盗の性ありて天これに賦与するか、さうにはあらず、習ひ性となるは最初の一念が盗の因なり。」(東海夜話 巻之一より)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション - 禅門法語全集 : 詳註邦文. 第1巻

 

「……天盗をなす、天に盗の性あらず、人自ら盗をす、何事も天也と云はゞ、盗の性ありて天これに賦与するか、さうにはあらず、習ひ性となるは最初の一念が盗の因なり。」という最後の一節は、お釈迦様の時代から一貫している仏教のものの見方・考え方を端的に顕わしていると思います。

不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7)

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沢庵禅師逸話選

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日本の禅語録〈第13巻〉沢庵 (1978年)
 

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