Amazon.co.jpのKindleポイント50%還元セールで買うスマナサーラ長老の本

Amazon.co.jpKindleポイント50%還元セールをやってますね。この機会に読みたかった本を一括で購入されるのもよいと思います。Amazonの狙いとしてはKindke新規ユーザーの開拓という面もあるのかもしれません。

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このブログ記事では、アルボムッレ・スマナサーラ長老の著作のうち、このセールで一押ししたい本をご紹介したいと思います。スリランカ出身のスマナサーラ長老は、現代日本語圏で仏教を解説する著述者としては、筆頭に挙げられるべき語り手だと思います(著書の売り上げなどから見れば、実際にそうなっています)。浄土真宗や真言宗など、特定の宗派への嗜好があらかじめある方はともかく、仏教、釈迦牟尼ブッダの教えを知りたいと思った人が、最初に読むべきなのはスマナサーラ長老の本だと思います。それでピンと来なかったり、気に入らなかったりしたら、ほかの著者も当たればいいのです。

また、他の著者の本を読んでも仏教ってなんだかよく分からなくて……と思ってる人も、スマナサーラ長老の本を読むべきです。また、オレは仏教に一家言ある、けっこう知ってるよ、という人もスマナサーラ長老の本を読むべきです。ガツンと頭を砕かれるようなショックを受けるかもしれませんが、へんな増上慢をもって死ぬよりはましですから。

スマナサーラ長老がなぜ薦められるべきかといえば、ブッダの直々の教えを色濃く伝えるパーリ聖典とその伝統を守り継いできたテーラワーダ仏教(南伝上座仏教)の教義に長けており、また戒定慧の三学に優れ、ブッダが説かれた覚りの世界を一般の人にも分かりやすい日本語で伝える能力があるからです。仏教の一部を学者や著述家が自分の視点で切り取って提供しているのとは違って、全身仏教者なのです。また、仏道実践の初めから終わりまでをきちんと自らの実践経験に基づいて語ることができる方だからです。

そのような逸材が、日本語で仏教を語ってくださるということは、有史以来なかったことかもしれませんし、これから先もないかもしれません。スマナサーラ長老の本を読むと(お釈迦様の直接の経典は別として)、他の著者の本は「なにヌルいこと言ってるんだ!」としか思えなくなる可能性があります。ま、それも人によるので、私はそうだというくらいのことです。

では、さっそくご紹介しましょう。

 私立自由の森学園(筆者の母校)での講演録などから構成されています。ブッダはなぜ出家したのか、ブッダの覚りとはなんなのか、ブッダは人類になにを教えようとしたのか、まさに目が覚めるような読書体験になると思います。

ブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書)
 

ちくまプリマー新書の二冊目は、ブッダの教えを実践するというのはどういうことなのか、幸福に生きるためになぜ仏道を歩むべきなのか、基礎の基礎からさまざまなたとえ話を駆使して解き明かしています。こちらも必携の本だと思います。

よく最古の経典として重宝される『スッタニパータ』ですが、実際にその中身を精読されたかたってどれくらいいるんでしょうか? 本書はそのスッタニパータからたった一つの短い経典『慈経(メッタスッタ)』をピックアップして逐語解説した本です。一切衆生(生きとし生けるもの)に慈しみ(友情)の気持ちを拡げて解脱にたっする道を説いています。筆者はこの経典を全文暗記していますが、『般若心経』憶えるくらいだったら、この経典をぜひ憶えてほしいと思います。一生の宝物になりますよ。

仏教といえば「諸行無常」ですね。でもその言葉の意味を仏教の教えに即して知る機会というのはなかなかないでしょう。本書を読めば、ブッダが説かれた無常(アニッチャー)という教えの大胆さ、ラディカルさに驚かれると思います。また、無常を観察することで心を静め、解脱に達する方法論まで紹介されています。

こちらは、個として存在しつつ他に依存せずには生きることができない、という生命の根源的な矛盾に着目し、仏教の説く解脱の境地を依存からの脱出した「ひとりで生きる」境地とみなしてブッダの教えの深淵に導く著作です。こちらも『スッタニパータ』収録の『犀角経』を取り上げていて、「犀の角のように、ただ独り歩め」という人口に膾炙したフレーズが、本書の読後にはまったく違ったものとして心に響くことでしょう。

 「妬ましい」「許せない」「人の幸せを喜べない」…誰もが悩まされる「嫉妬心」から自由になって、毎日を喜びのなかで生きる方法をブッダの教えから紹介します。前半の嫉妬の分析に続いて、後半では「嫉妬への特効薬」として、ブッダが推薦した喜(ムディター=他者の幸福・成功を喜ぶ気持ち)を限りなく育てる実践方法が本格的に解説されています。類書がないので、ぜひ読んでほしいと思います。

スマナサーラ長老の著作の中でもっとも売れている『怒らないこと』の続編ですが、より仏教書としての色合いを深めた内容です。仏教心理学における「怒り」の精緻な定義づけ、怒りの根絶が解脱という仏教の目標とどうかかわるのか、などライフハック(死語?)的な話題とされがちな「怒り」問題にも指針を与えつつ、仏教の出世間的な真理のまなざしへと読者を誘ってゆく、このような仕事ができる仏教者は、現在の日本語圏では長老だけだと思います。

日本テーラワーダ仏教協会機関誌『パティパダー』巻頭に連載されている掌編法話集をテーマごとにまとめた作品です。各法話は800字程度なので読みやすいですが、内容はかなり核心をついたものになっています。半年に一回くらいのペースで読み返すといろんな発見があるような仕掛けが施されているようなので、繰り返し味読してほしいと思います。

他にも紹介したい本はありますが、今宵はこのへんで。私がいうのもなんですが、スマナサーラ長老の著作にはハズレはないので、ぜひ、どれでもいいからポチってみてください。

~生きとし生けるものが幸せでありますように~