読了メモ(2012年2月)
2月の読書メモまとめました。安冨歩・他『今を生きる親鸞』と熊谷徹『なぜメルケルは「転向」したのか-ドイツ原子力四〇年戦争の真実』について長めに言及してるけど、読んでていちばん楽しかったのは湯川秀樹/梅棹忠夫『人間にとって科学とは何か』でした。
2012年02月01日(水)
- 作者: V・E・フランクル
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2011/05/06
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2012年02月07日(火)
- 作者: 安冨歩
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2012/01/07
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2012年02月09日(木)
- 作者: 安冨歩,本多雅人
- 出版社/メーカー: 樹心社
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スピノザが「コナトゥスの作動を阻害するもの」と言ったものは、ブッダが五蓋・不如理作意・戯論(パパンチャ)などと言ったものと通底(おっ!便利な言葉)してるんだろうね。
コナトゥス、回向の力、などと言われるものについて、科学的手法によっては研究できない。しかし「それを破壊するものが何であるかについてであれば、研究することができる。要するに暴力の研究です。」安冨歩(今を生きる親鸞 57p) コナトゥスとか回向とか言っても、詮は「苦滅」なんだけどね。
第二章の鼎談はちょっとついていけないなぁ。結局、親鸞は本覚思想2.0ってことで落ち着いちゃうの……? (実際、そうなんだろうけど。)「苦滅」ではない神みたいな前提を作っちゃうから、苦を逃れようとして、途中から苦の化け物を追っちゃうんだけどね。難儀じゃ。
第三章は、安冨歩さんの思索を辿る入門編として良いかもしれません。第二章の鼎談の雰囲気は個人的に「苦手」な抹香臭いオーラ出まくってましたが、あとは読みやすい好著だと思います。
安冨歩さんが仰ってる「一人一人はちゃんとしているのに、集団になったら、あるいは人と人とが相互作用するなかで、何か大きな、止めようもない流れが生まれていくような現象がどうして生まれるのか」(120p)問題というのは、仏教の文脈でどう考えるべきか、興味あるところです。
原発の骨絡みの利権構造を告発する原子力ムラ批判にしても、田原総一朗なんかが「専門家はみんな真剣に考えてる。それが分からない脱原発は無責任なんだ!」(大意)と吠えることで一蹴される面があるのは、確かに御用学者と呼ばれる人々も、一人一人を見ればきっと「いい人・真面目な人」なんですね。
だから波風起こすのが嫌な平穏志向の人々からは「原発は良くないとしても、真面目な専門家を罵倒する脱原発派はお行儀が悪い」という話になってしまう。専門家たちも「自分たちは一生をかけて真面目に頑張ってきたのに、事情もしらない素人が勝手なことを!」と被害妄想で閉じこもってしまう。
この「態度が悪かったら何言っても受け入れない」「真面目な人を責めるな」という日本的な?倫理風土の中で、「真面目で品行方正な人々が集団になって狂った行動を始める」場面になると、もう誰もその暴走を止められなくなってしまいます。安冨歩さんが「東大話法」本で、「話法」という切り口を用いたのは実はものすごい「発明」というか、日本社会の出口ない感じを打開する「発破」ではないかと思っています。 というわけで、安冨歩さんに、この曲を捧げましょう。
Stevie Wonder ”Master Blaster”(Jammin')
『今を生きる親鸞』は安冨歩さんの思索「まとめ」的な第三章「親鸞との出遇いと学び 「親鸞ルネサンスの試み」」を読めばいいかな。お坊さんの話は、ぜんぜんルネッサンスしてないし。章の最後のほうに出てくる「方便論的個人主義」っていう言い方は面白いね。上方町人哲学をうまく継承してる感じ。
2012年02月12日(日)
- 作者: 湯川 秀樹,梅棹 忠夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
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ヒトの将来に関する仮説
- かなわん
- いやになってしまう
- つぶれる
(165p)
って、湯川秀樹さん、ちょっwww
2012年02月16日(木)
- 作者: 速水健朗
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2012年02月19日(日)
敦賀湾原発銀座 [悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖 (宝島SUGOI文庫)
- 作者: 明石昇二郎
- 出版社/メーカー: 宝島社
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2012年02月20日(月)
- 作者: 熊谷徹
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メルケルさんって、東ドイツ出身なのか。牧師の娘で理論物理学畑。
「ドイツ人の福島事故に対する(センセーショナルな)反応は、直接被害を受けた人々のことを思わず、自分の安全のことばかり考えるドイツ人のSelbstbezogenheitが原因だ」という批判もあったと。ドイツ語だと「ジコチュー」もちょっとかっこいいねw
「原子力エネルギーは砂漠を肥沃の地に変え、厳冬を春に変える。数百ポンドのウランとトリウムがあれば、サハラ砂漠とゴビ砂漠を緑地に変え、シベリア、北米、グリーンランド、南極をリビエラのような温暖の地に変えることが出来る」エルンスト・ブロッホ1959 レトロフューチャーの後始末マジ大変
2012年02月23日(木)
熊谷徹『なぜメルケルは「転向」したのか』を読んで思ったが、技術者や科学者に任せていたら、今後何回メルトダウン事故が起きても原発脱却はできないだろう。何を言われようが、「素人の乱」を拡大させるしかない。反知性主義ではなく、飼い慣らされ条件付けられた知性に反抗するのだ。
2012年02月24日(金)
- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
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2012年02月26日(日)
- 作者: ヴィクトリア・ブレイスウェイト,高橋洋
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2012年02月28日(火)
- 作者: サティシュ・クマール,尾関修,尾関沢人
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〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜