八月の読書メモ

 
Twitterの書き込みから、八月中に目を通した本の備忘録を集めてみた。
 
08月01日(月)
渡辺京二傑作選2 なぜいま人類史か』 (洋泉社新書y) http://t.co/l0k3iqj 読了。講演を元にしているが原本1986年なので時評的な雑談、講座派労農派論争云々の長舌には古さも滲む。人類史論、共同体論、外国人が見た幕末維新、明治維新考と続く。氏の入門的な本かな?

渡辺京二傑作選? なぜいま人類史か (新書y)

渡辺京二傑作選? なぜいま人類史か (新書y)

 
08月03日(水)
渡辺京二『逝きし世の面影』平凡社ライブラリー、三章まで読了。分厚い本だが、しみじみ読ませる。ところで「産業革命なるものはなかったというのが、今日の英国史学界の主流」134pってのはホントなの?ちょっとビックリ。
逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

 
…結局この先、読んでないなぁ。
 
08月04日(木)
谷口ジロー『ふらり。』講談社、読了。江戸で隠居暮しをしていた五十代前半の伊能忠敬を描いた品のいい漫画作品。基本的に仕事の匂いがしない、やさしい奥さんとの二人暮らし、という設定含めて、『歩くひと』の江戸版という風情か。疲れたこころにしみ込む読む清涼剤のよう。オススメです。
ふらり。 (KCデラックス)

ふらり。 (KCデラックス)

 
08月09日(火)
大田俊寛オウム真理教の精神史 ロマン主義・全体主義・原理主義』春秋社、読了。311の前に購入してそのままにしていたが、始めたら一気に読めた。オウム真理教の精神史であり、オウム真理教への精神史でもある。宗教学系のオウム論のなかでは、最高の達成だろう。広くお薦めしたい。
オウム真理教の精神史―ロマン主義・全体主義・原理主義

オウム真理教の精神史―ロマン主義・全体主義・原理主義

 
08月11日(木)
諌山創『進撃の巨人』5巻/講談社、鈴木みそ限界集落(ギリギリ)温泉』3巻/エンターブレイン、読了。女、女型???/新興宗教の工作員まで???どっちも目を離せない展開。
進撃の巨人(5) (講談社コミックス)

進撃の巨人(5) (講談社コミックス)

限界集落温泉(3) (ビームコミックス)

限界集落温泉(3) (ビームコミックス)

 
いがらしみきお『I(アイ)』1巻/小学館コミックイッキ、読了。‥‥凄い。『Sink』『かむろば村へ』を経て、東日本大震災の瓦礫を乗り越えて、作者は「繋がれない」私たちに「0」の世界を、「神様の姿」を描いて見せようとしている。異形の少年イサオが知り合いの編集者に似ててビビった。
I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)

I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)

 
08月16日(火)
大田俊寛氏 @t_ota 『グノーシス主義の思想 〈父〉というフィクション』春秋社、読了。初期キリスト教の背景について、加藤隆氏の著作を読んでも残ったモヤモヤがかなり解消された。 近著『オウム真理教の精神史』と併せて、再読しつつ、ブログにまとめてみようかな。
グノーシス主義の思想―“父”というフィクション

グノーシス主義の思想―“父”というフィクション

 
……まとめてないな。
 
08月26日(金)
本川達雄『生物学的文明論』新潮新書、読了。これは文句なしの良書。生物学者の本を読むと時々、良質の仏教書のような驚きと興奮を憶えることがある。そんな一冊。もうナマコになるしかないな。
生物学的文明論 (新潮新書)

生物学的文明論 (新潮新書)

 
08月28日(日)
渡辺京二『江戸という幻景』弦書房、読了。『逝きし世の面影』が一本調子で退屈になってきたので、先にこっちを。江戸時代から明治初頭に書かれた文献をもとに、アーリーモダンの日本人の心性を再構成。
江戸という幻景

江戸という幻景

 
こんなところでしょうか。8月のマイベスト3は、
 
グノーシス主義の思想―“父”というフィクション

グノーシス主義の思想―“父”というフィクション

生物学的文明論 (新潮新書)

生物学的文明論 (新潮新書)

I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)

I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)

 
です。秋の夜長、読む本に迷ってるなら、この三冊!
 
〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜