読書メモ 諸星大二郎「闇の客人」、比嘉慂『美童物語』、渡辺京二『日本近世の起源』他
Twitterから、読んだ(読んでる)本のメモを抜き出してみました。
- 作者: 今井雅晴
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 1999/02
- メディア: 単行本
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- 作者: 山田太一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/04/07
- メディア: 単行本
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- 作者: 町山智浩
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 単行本
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- 作者: 大野更紗
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/06/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 比嘉慂(ひがすすむ),Susumu Higa
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2010/09/21
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- 作者: 比嘉慂(ひがすすむ),Susumu Higa
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2010/10/05
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不破哲三『「科学の目」で原発災害を考える』日本共産党中央委員会出版局、読了。不破さんの講演録だが、日本の原子力政策の「そもそもの」問題に遡って、自らの国会質問を振り返りながら明快に問題点を洗い出している。政党パンフらしく「共産党は最初から正しかった」という宣伝も忘れない良著w
- 作者: 魯迅,一芯社図書工作室,中村愿
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2011/04/09
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- 作者: 諸星大二郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/11/18
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貧しさを逃れるため、除災招福のため、異界から幸神を招く祭りが行われる。しかし人間に異界からの客人をコントロールすることはできない。禍神を呼び寄せてしまうこともある。この短編マンガには、古代の共同体で行われた神祭りから貧しい地方への原子力発電所の招来にまで至る、
この国の哀しい「信仰」の姿が描かれているように思えた。一度は村を捨て都会の片隅で暮らしていた古老のはたらきによって禍津神・鬼神は異界へと帰ってゆく。しかし現代に招き入れた放射能という「鬼」を、異界に送り返す「鬼踊り」の振り付けを私たちは誰も知らない。
というわけで、「おらといっしょに ぱらいそさ いくだ!!」(与謝野馨は「鬼踊り」して原発を異界に連れかえってくれ。)
- 作者: 渡辺京二
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2011/07/06
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戦国時代って要するに、いまのアフリカの紛争地帯みたいな状態だった。戦国武将もその領民も、他領を徹底的に略奪して、同胞を奴隷にして外国に売り飛ばしていた。「軍神」上杉謙信も占領地で奴隷売買の市を開いてた。
「奴隷」という単語はアメリカの黒人奴隷を想起するが、歴史的には「数ある隷属形式」の一つだった。しかし南蛮船で売られた日本人奴隷は、アフリカから狩られた奴隷と同じく船底に詰め込まれ、多くは輸送中に息絶えた。
飢餓線上の荒廃しきった社会に、武器だけはふんだんに流通している。現代のアフリカ紛争地域やアフガンは、まさに日本の戦国時代と同じだ。権力の保護を受けられない地域社会の民衆が、生活防衛のため苛烈な自検断を行っているのもそっくり。彼らもまた、違う形の「徳川の平和」に到達するだろうか。
第四章「山論・水論の界域」は入山権や水利権をめぐって、村々の間で行われた「隣村戦争」の考察。ちなみに村同士の戦争(械闘)は、現代中国でも行われているらしい。 http://t.co/IKoTGFA
隣村戦争。タイムスクープハンターで「石つぶて 紛争調停人」では室町時代の事例が放映された。 http://t.co/jaA0XUX 戦国期にはミニ国家同士の「戦争」にエスカレート!
著者は室町〜戦国期の惣村同士の大規模な戦争を支えた「村のために命を投げ出す」心性は、「お国のために死んでこい」と戦場に子供たちを送り出した近代日本の国民の心性と地続きだと指摘する。
村のため戦死した者の家族は惣村共同体により保護された。寄り合いにも出られない乞食など身分の低い者や流れ者は、紛争和解のために敵村に差し出される「解死人」要員(生贄)として村に「飼われて」いた。
解死人として敵村に差し出された乞食が、その代償として自分の子孫を「村の年老(おとな)に列してほしい」と頼み認められたケースも。近代国家って大層なものと思っていたが、ただの村社会の拡大版じゃん!
めんどくさいことをどこにおっつけるか、規模が大きいか小さいかだけの差しかない、いまもむかしも人間の考えること・やることはまったく進歩してない。と知ってがっかりしたような、安心したような。
渡辺京二、しばらく浴びるように読もうかな。
- 作者: 諸星 大二郎,井上淳哉
- 出版社/メーカー: 新潮社
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原発の深い闇 (別冊宝島) (別冊宝島 1796 ノンフィクション)
- 出版社/メーカー: 宝島社
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PART2御用メディア&文化人の罪 によれば、雑誌の電力系PR広告出稿ランキング1位はダントツ『ソトコト』(エコ&ロハス系)であり、2位は保守右翼系の『WILL』、3位〜5位は僅差で『潮』(創価学会系)と『週刊新潮』『婦人公論』が並んでいる。
22p- 福島原発事故の被災民が、放射能汚染されたタケノコやイチゴを産地偽装して転売していたことが、地元在住のジャーナリストによって告発されている。6月28日に気仙沼港に水揚げされた350トンのカツオもいわき市沖、事故原発の沖合で捕獲された。
22p- 中通りのある野菜農家は「例年どおり県内、県外に出荷するが、自家消費用は作付けしない」と。土壌サンプリング調査もほとんど行われぬまま、稲の作付けが行われている。秋にはラベルを張り替えた放射能汚染米が日本じゅうにばら撒かれるだろう。
まえがきの下に、「*小社は東京電力および電気事業連合会に広告スペース等を販売したことはありません」と明記してある。かっこいい!
- 作者: 比嘉慂
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/02/23
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- 作者: 比嘉慂
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/08/22
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維新の夢 渡辺京二コレクション[1] 史論 (ちくま学芸文庫)
- 作者: 渡辺京二
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/06/10
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民衆という幻像: 渡辺京二コレクション2 民衆論 (渡辺京二コレクション(全2巻))
- 作者: 渡辺京二,小川哲生
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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- 作者: 佐藤優,中村うさぎ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/07
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- 作者: 渡辺京二
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2011/07/06
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- 作者: 池上彰,佐藤賢一
- 出版社/メーカー: 集英社
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以上、6月末から7月末まで。比嘉慂と渡辺京二との出会いが大きかった。
〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜