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スマナサーラ長老の新刊(2010年7〜9月)前編

本の話題


久々の更新ですが、備忘も兼ねてスマナサーラ長老の新刊(2010年7〜9月)をご紹介します。


日本人が知らないブッダの話 (Esoterica Selection) 学研 ¥1,575

釈迦牟尼仏陀(お釈迦さま)の生涯をテーラワーダ仏教が伝えたパーリ経典を一次資料として、一部パーリ注釈書(アッタカター)の伝承も交えながら解き明かした作品。パーリ仏典のみに依拠して漢訳の伝承は省いているが、実際には漢訳阿含で語られる仏伝の多くはパーリ注釈書で採用されているので、南北の伝承の意外な共通性や微妙な解釈の差異も発見できて面白いと思います。釈迦族という民族の出自、釈尊が生まれた当時のインド社会、ブッダとは何者か?というブッダ論、青年時代の悉達多の生き様、覚りへの道のり、釈尊教団の成立過程、女性の出家にまつわる問題、『ブッダ最後の旅―大パリニッバーナ経asin:4003332512』に遺された釈尊の遺言の真意、釈迦族の滅亡など、簡潔な記述ながら、ブッダの生涯の大切なところが過不足なく触れられている本です。いま日本で仏伝というと、やはり中村元『釈尊の生涯asin:4582764789』あたりが標準になると思いますが、これから本書も広く読まれて欲しいです。


怒らないこと 2―役立つ初期仏教法話〈11〉 (サンガ新書)

怒らないこと 2―役立つ初期仏教法話〈11〉 (サンガ新書)

怒らないこと 2 (役立つ初期仏教法話11) サンガ ¥735

20万部超のベストセラーになっている『怒らないことasin:4901679201』の続編。目次にある「怒りとは生命の根源にある感情」という言葉が本書の基調です。『原訳「スッタ・ニパータ」蛇の章asin:4333023815』でも触れられていたように、怒りの根絶がすなわち解脱・涅槃である、という事が宣言されています。『怒らないこと』続編に相応しく、より深く「怒り」の問題を掘り下げています。かと言って前著に比べて難解ということはなく、パーリ経典に記された「怒り」に関する単語の詳細な解説など,自分の感情を客観視して観察するための実用的なツールとしても「使える」本になっています。


13歳へ (よい親も、よい先生も、あなた次第)

13歳へ (よい親も、よい先生も、あなた次第)

13歳へ (よい親も、よい先生も、あなた次第) サンガ ¥1,260

今年3月8日に兵庫県宝塚市の私立雲雀丘学園中学校で行われたスマナサーラ長老の講演と対話の模様を書籍化した作品です。当ブログでもこちらの記事で内容のさわりは紹介しました。

「今までみなさんは大人に育てられてきましたが、今度は、みなさんが大人を育てる番です」

というフレーズが本書の芯ですね。版元は変わりますが、ちくまプリマー新書『ブッダ―大人になる道asin:4480687491』『ブッダの幸福論asin:4480687777』と並ぶ10代への直球メッセージ。よりみちパン!セシリーズ(理論社)の番外編みたいな感じで学校図書館なんかに置かれるといいなと思います。


まだまだあるんですけど、ちょっと息切れしてきたので、続きは明日。


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