大江戸お寺繁昌記
- 作者: 安藤優一郎
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/11
- メディア: 新書
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大江戸お寺繁昌記 (平凡社新書 495) 安藤優一郎
超宗派仏教徒によるインターネット寺院・彼岸寺のウェブ連載から生まれた新書本。
1章:江戸で急成長していくお寺……川崎大師と成田山がなぜ関東初詣のトップ3に名を連ねることになったのか、江戸時代にさかのぼって由縁を説いている。2章:大奥との深い関係……幕政に大きな影響を与えた大奥の支持をめぐる浄土宗と日蓮宗の抗争とか、生臭くておもろ。3章:お寺の“助成獲得”大作戦……莫大な資金がかかった東大寺大仏殿再建を例に、お寺の勧進と幕府の関わり、そしてお寺と金融の深い繋がりについて。田舎では寺院が金融業を担っていたんだって。4章:エンタメ文化の発信源……彼岸寺の試みにもつながるエンタメ文化と寺院の縁をつづる。出開帳の出し物がどんどんエスカレートしていく様が面白い。5章:講の人々が支える寺院……檀家制度を前提とした仏教観の色眼鏡で忘れられがちだった、様々な「講」の活動について再評価。本書では書いてないが、創価学会の隆盛も法華講の伝統がなければありえなかったわけだし、この視点は重要。巻末対談:お寺よ、もっと開かれろ!……彼岸寺・松本圭介氏との対談で前向きに幕を閉じる。江戸時代に仏教寺院が果たしてきた社会的機能、共同性への寄与についてまっとうに評価した好著。お寺を見る目がちょっと変わると思う。おススメです。
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〜生きとし生けるものに悟りの光が現れますように〜