般若心経は間違い?文庫化


般若心経は間違い? (宝島SUGOI文庫)

般若心経は間違い? (宝島SUGOI文庫)

『般若心経は間違い?』アルボムッレ・スマナサーラ(宝島SUGOI文庫)


一昨年に出版されてけっこうな「論争の書」となった『般若心経は間違い?』(宝島新書)が同社から文庫版として再発された。内容は細かい校正のみでそのままだが、般若心経の非論理性、呪文信仰の非仏教性をフルぼっこにしつつ、初期仏教のエッセンスを簡潔に伝えた構成は何度読んでも面白い。


トリをつとめるヴァジラー比丘尼が語るその悟境(相応部詩偈相応比丘尼品「無我問答」)は、その清々しさ、格調の高さから言ってパーリ経典のなかでも特に好きな一節だ。

生まれるのは苦である。
あるのも苦である。消えるのも苦である。
苦以外生まれるものはない。
苦以外消えるものもない。

般若心経に興味がなくても、この詩偈(ガーター)の解説を読めるだけでも本書の価値はある。未読の方はこの機会にぜひ!


たまにはランキングが変わった方が面白いような……
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ

〜生きとし生けるものに悟りの光が現れますように〜