丸善インタビュー
スマナサーラ長老の短いインタビュー記事が丸善インフォメーションに掲載された。3月24日、丸善丸の内本店(オアゾ)で開催された『的中する生き方』刊行記念講演会の直前に収録された。長老が最近読まれたインドの小説(洋書)のことなど、書店のインタビューらしい情報が載っている。
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―次に、今回書かれた、『的中する生き方』のことですが。本の主題が道徳ということなんですが、道徳を取り上げられた理由は。
元々は講演でお話したことなんです。まず、道徳と言った途端にみんないやな気分になるんですね。それはなぜなのかということをセッションしたかったんです。私のポイントというのは年齢によらず道徳を嫌がるのはもっともなことだと。それは道徳と言って誰も道徳を語っていないからなんだと。だから我々は本能的にこんなのはいやだなという気分になるんですね。そこをはっきりさせたかったんです。道徳がいやだと思っても人間が悪いわけではないんです。それは道徳を語る人々に問題がある。では、道徳とは何なんだ、ということセッションしたかったんです。
社会の問題は仏教から見れば道徳というひと言にまとめられるんですが、しかし、そのひと言が出た途端に宗教が絡んでくる、すごく堅苦しく感じてしまう。そういう道徳などで責められて縛られて生活しにくいし、だから自由な方が発展するんではないかという誤解があるんです。
そうではなくて、人間には平和で豊かで喧嘩しないで生きるためには何かガイドラインが必要なんです。商売をしていても不安でどんな会社でもいつ倒産するか分からない。自分ではがんばっても環境の変化で、たとえば、今、日本は何もやっていないのに、経済不振で日本の社会が世界で一番ダメージを受けているんです。
そういうことがあっていいのかと。決してあっていいわけではないし、どうしてそんなことが起こるのか。それは私たちの生き方には大きな問題があると思うんです。他人のことをかまわないで自分だけという感じで生きているからなのではないかと。
私たちの仕事は人に生き方を教えてあげることですから、そういうテーマで道徳に関するものを書きたかったんです。でも、周囲には道徳というテーマはそんなに人気がないだろうと言われていましたが、私の道徳の話を聞いてみてください、役に立つか立たないか自分で調べてみてくださいという意味で今回取り上げました。
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〜生きとし生けるものに悟りの光が現れますように〜