私たちは何を学ぶべきですか?(沖縄大学講義より)
14日の09:00より、沖縄大学ディリープ・チャンドララール教授の授業「子どもと伝承文学」にスマナサーラ長老がゲスト講師として招かれた。以下、「私たちは何を学ぶべきですか?」というタイトルで話された内容のメモ。
●なにを学ぶべきか?
生まれたら、「学びなさい」と言う命令が運命的についてくる。それに従わなかったら生きていられなくなる。人間だけではなく、犬も、猫も、猿も、生まれたら学ばなければいけない。動物は短い期間で卒業ですが。動物も、何か学ばないと生きる権利がなくなる。
生きる権利を獲得するために学ぶことは避けられない。
箸の使い方も、言語も、あえて習得した人工的なものです。
仏教という宗教の特色:「学びなさい。学んで智慧を開発しなさい。無知を克服しなさい。それが幸福になる道です」。
仏教は、三学(戒・定・慧)と言う。(仏教とは「学ぶもの」。)仏教が嫌われるのは、人間が学びたくないから。
学びなさいという三学は大変なこと。明るく幸福に生きたければ学ぶこと。謙虚に学んだ人が人気者になる。傲慢で学ばない人は嫌われる。学ぶことは大事、「息を吸うことが大事」と言うくらい、大事なのです。
●学びは二つ
- life long study 生涯にわたる学習。これが、仏教で教えるもの
- short term study 短期的学習。学校教育などで教えるもの
勉強に失敗するのは。この二つを区別しないから。
short term studyは、その時やるべきことをやればいい。
難しくても苦い薬のようなものだと思って飲めばいい。
大切な、life long study があると知っておけば、気が楽になるのです。
●学ぶ目的
生きる権利の保証期間は常に更新しないといけない。学ぶことは命そのもの。つまり、「学ぶ」とは、自分の生きる権利を更新することです。赤ちゃんも、生まれてすぐに息を吸うことを学ばなければ、生命の保証期間は更新されない。
short term study は、せいぜい60歳で終わりです。ある時期に消えるものです。
life long study は一生続く「学び」です。生きている。生きていきたい。そのためには周りのすべての人々の協力が必要です。NG(農業)系になりたくても、誰かが土地を買してくれないと仕事できない。仕事したくても大勢の協力が必要です。
生きるためには他の生命の協力が必要。関係がうまく行かないといけない。生きるために絶対不可欠なもの、それは人間関係・生命との関係です。
私たちは、生まれた瞬間から他との関係が現れます。生命との関係がうまくいっているということは、しっかり生きているということ。「いかによい人間になるのか?」と仏教は教える。仏教で「怒るな」というのは怒りで生命との関係が壊れるから。怒ることは、自分の(将棋の)駒を取られること。いろんなことを言うのは相手の仕事で、それに耐えて(怒らないで)何とかするのが自分の仕事、なのです。
仏教は、生きるテクノロジーを教えています。学校でのshort term study は、生きる上でなにを仕事にするかという職業訓練を受けているだけのことです。よい人間になることを学ぶ。それが学ぶべきことです。
結論:「どのように生きるのか?」は一生の学問(life long study)である。
沖縄大学の猫部長???
豊見城市の豊崎ビーチを散策。沖縄でずっとお世話して下さった玉城さんと。夕方のJALで沖縄を後にしました。スマナサーラ長老沖縄講演スタッフの皆様には、事前の準備から沖縄を離れる瞬間まで、ほんとうによくしていただきました。沖縄のまごころをひしひしと感じた四泊五日でした。ありがとうございました。
出版関係でいくつか動きが……。
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〜生きとし生けるものに悟りの光が現れますように〜