くまりんさんのインド仏教史論

私とid:ragarajaさんとのあまり上品とは言えない論争をきっかけとして、瓢箪から駒?のように読み応えのあるエントリが発表された。

コピペ言説の刷り込みにで長年にわたって刷り込まれてきた、大乗仏教の成り立ちに関する「思い込み」が、魔法が解けるように、するする解体されてゆく知的快感を味わえると思う。

ま、とりあえず読んでみて。で、興味を持ったら、

大乗仏教興起時代 インドの僧院生活

大乗仏教興起時代 インドの僧院生活

くまりんさんも引用してるショペン博士の講演録。

法顕伝・宋雲行紀 (東洋文庫 (194))

法顕伝・宋雲行紀 (東洋文庫 (194))

別名「仏国記」。よくよく読むとインド仏教は「小乗」ばかりだったとさ。

現代語訳 南海寄帰内法伝―七世紀インド仏教僧伽の日常生活

現代語訳 南海寄帰内法伝―七世紀インド仏教僧伽の日常生活

当時の中国仏教をけちょんけちょんに批判している義浄のレポートも面白いが、大乗仏教をつまり「下半身は部派仏教のままで単に首から上だけの思想運動」と結論付けた巻末の訳者解題があからさまでいい。理性を持って資料を虚心に読めば洗脳は解ける。

インド仏教変移論―なぜ仏教は多様化したのか

インド仏教変移論―なぜ仏教は多様化したのか

朝日新聞の連載「日々是修行」のひどい内容に仏教者としてはヘタレ認定されてしまったが、彼の学説は仏教の「多様性」を理解する上で画期的な視点をもたらした。

仏教教団史論

仏教教団史論

あらら、袴谷先生まで……。佐々木説などを踏まえつつ、いろいろ噛み付いてます。

とゆーあたりも、目を通されると楽しいですよ。

追記:とはいえ……そんな仏教史の本にお金と時間を使ってもいられないとゆー人は、浄土宗のお坊さんであるいとーさんのwiki「いとーの部屋にある以下の記事、

をご一読されることをおススメしたい。

1. 大乗非仏説
2. 大衆部起源説
3. 在家・仏塔起源説
4. 在家・仏塔起源説への疑問 
5. 大乗仏教成立に関するショーペン説
6. 大乗仏教の起源に関する最近の説

とゆー具合に非常によくまとまっていて、これは便利。でも所詮は「まとめ」だから、論証の迫力からすると、やっぱくまりんさんのエントリが素晴らしい。

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