仏教書新旧4冊

1100学芸大前で会議。古書店にて2冊購入。

不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7)

不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7)

食べるたくあんと同じく噛めば噛むほど旨いっす沢庵和尚。東海夜話の書写もそろそろ再開したいものだ。

たぶん文庫は持ってるんだけど。表紙の六字名号がステキでつい春秋社版を。インテリ病の法然や日本の大天こと親鸞に比べて陰が薄いが、もっとも仏教的な念仏者は一遍だと思うのだが。

1830からスマナサーラ長老の朝日カルチャー(新宿)講義『初期仏教入門 「ストレス」と「心の呪縛」−「心の健康」を失わないために』パワポ助手しつつ聴講。「煩悩のストレス」をなくす「悟りに向かうストレス」のススメ。不貪不瞋不痴のストレスが限界まで溜まって爆発することで悟りに達するのだ、とゆー、目から鱗の解説が新鮮だった。この連続講義も来春くらいには本になるかな。

帰りがけにコクーンタワーのブックファーストを覗いたら、拙著『大アジア思想活劇』が東洋史コーナーにポップ付で面出しされていた。ありがたいことだ。

大アジア思想活劇―仏教が結んだ、もうひとつの近代史

大アジア思想活劇―仏教が結んだ、もうひとつの近代史

しばらく書棚を眺めていたら閉店時間になったので急いで2冊購入。

『スッタニパータ』―仏教最古の世界 (書物誕生―あたらしい古典入門)

『スッタニパータ』―仏教最古の世界 (書物誕生―あたらしい古典入門)

並川孝儀は相変らず「中道」も「無記」も意味がさっぱり分っていない。困ったものだが、学者だから仕方ないか。まだ精読してないが、文献の解説書としては、さすが手堅い出来だとおもう。釈尊の伝記に関するしょーもない下衆の勘ぐりがカットされているので『ゴータマ・ブッダ考asin:4804305637』よりは少なくともいい。輪廻については、誰の批判を考慮したか知らんが、前著から微妙にニュアンスが変わっている(笑)。

仏教瞑想論

仏教瞑想論

上座仏教・大乗仏教を通じた様々な修行法をサマタ/ヴィパッサナー(止/観)のバリエーションとして捉えなおしてカタログ的に紹介した本。あら不思議、こうすれば仏教はスッキリさっぱり解るんです。こういう切り口もそろそろ出るからと思っていたらやはり出たな。まだパラパラしか読んでないけど、筋はよさそう。上座仏教の日本進出によって、日本人の仏教に対するものの見方が確実に変化しつつある兆候だと思う。