五戒について/村上真完博士


仙台2日目。午前中、しまかげビル内のサラナ・ヴィハーラでスマナサーラ長老より祝福の読経とご法話をいただく。法話の後に出た質問で五戒について長老から興味深いお話があった。あとでポイントだけメモしたのでけっこう個人解釈混じってるけど……以下のような内容だった。

五戒を「戒論」的に分析すると、二つに分かれる。

  1. 生命との関係を定めた戒:不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語
  2. 自己破壊を防ぐ戒:不飲酒

1と2は土台と屋根のような関係である。家を建てる時は土台から建てなければならない。その意味では不殺生〜不妄語までの四戒が先にある。

しかし、屋根が無ければ家とは言えない。飲酒によって自己破壊すれば、生命との関係もすべて崩れてしまう。よって、五戒はひとつのセットとして実践することが勧められている。云々。

昼食をはさんで、午後からサラナヴィハーラの皆さんと村上真完博士(東北大学名誉教授)のご自宅を表敬訪問。村上先生のスリランカ旅行中のエピソードや世界の宗教情勢など四方山話を挟みつつ、初期仏教の「無我」論、近代日本の仏教研究史における「縁起」理解の変遷など、スマナサーラ長老との間でしばしばハッとするようなやり取りがあった。夕方、サンガ仙台オフィスにとんぼ返りして、新刊のタイトル策定と「まえがき」読み合わせ。1805の新幹線で帰京。たいへん密度の濃い二日間だった。

仏教の考え方

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