小さな国の大きな奇跡

小さな国の大きな奇跡-キューバ人が心豊かに暮らす理由

小さな国の大きな奇跡-キューバ人が心豊かに暮らす理由

『小さな国の大きな奇跡-キューバ人が心豊かに暮らす理由』けっこう前に買ったのだが、なかなか通読できず。時々つまみ読みしてるんだが……。今日改めてページをめくってみたら、キューバ人は『座頭市』が大好き(もちろんカストロも座頭市ファン!)とゆー記述に、無条件で胸が熱くなった。ページを開くとはっとさせらえる言葉に出会う。例えば以下のような、キューバ人女性のお言葉はどうだ。

「神に祈っても、明日畑一杯に作物なんて育たないし、どんなに信仰心があってもハリケーンが来れば、努力も水の泡になるものよ。人間は自分の力で何でも切り開かないといけないのよ。たとえときに幸運が舞い込んできても、それは単なる偶然だと過信しないことが大切よ。人はどうすべきか、常に自分の判断が必要であって、何を選択したか、常に自分の行いに結果があることを知らないとだめよ。ソ連崩壊後の経済難の時代、キューバでは悩んだり祈ったりする時間などなかったわ。今をどう生きるか、明日何を食べて生き延びるか、そんな心配をする中、必死で裏庭を耕して苗を植えたのよ。それまで私は農業なんてやったこともなかったわ。生きるために必死だったの。そうやって小さな苗から作物を育てて、みんな生き延びたのよ。神は人間に生命を与えてくれたのかもしれない。でも、生きていくのは人間の力なの。そのために感情や思考、記憶する力が人間には備わっているのよ。信じなさい、あなたの力を!」

精霊の存在を身近に感じながらも決して信仰に依存しない、堅実なキューバ人のメンタリティは南北アメリカを通じて最も仏教徒に近いと思うんだが。

半世紀にわたるUSAとの冷戦に「勝った」のは、結局キューバだったわけだしね(今んとこ)。
巻末には、チェ・ゲバラの長女のインタビューも載っている。

〜生きとし生けるものに悟りの光が現れますように〜