佛教タイムス

大アジア思想活劇―仏教が結んだ、もうひとつの近代史

大アジア思想活劇―仏教が結んだ、もうひとつの近代史

佛教タイムス』10月23,30日合併号「秋の読書特集」にて、拙著『大アジア思想活劇』(サンガ)の書評が掲載された。新聞書評としては最初のもの。わーい。


(前略)本書の特質は、近代アジアの仏教復興に視点を置いていることだ。西欧経由の仏教あるいは仏教学ではない。さらにアジア仏教復興に日本人の力が少なからずあったことを論証していもいる。(中略)戦後の交流にも言及。オルコットやダルマパーラが唱えていた「仏教世界の連合」が戦後、スリランカで世界仏教徒連盟(WFB)として結実。その2年後に日本で第2回大会が開かれた(昭和27年)。「19世紀後半から南アジアを震源に展開していった仏教復興運動のひとつの到達点」。著者はそう解説する。

同じ号には上述『ライバルのいない世界』(国書刊行会)書評も載っている。誓教寺(山口県)と宝泉寺(京都)というスマナサーラ長老と縁の深い伝統仏教寺院の方々が、この企画にかかわっている点にしっかり触れているあたり、業界紙の面目躍如といったところか。