法話メモ・澤木興道について

14:00よりゴータミー精舎にてスマナサーラ長老の「瞑想と法話の会」。質疑応答をその場でメモって表ブログにアップ。

ブログ記事ではイニシャルにしたが、澤木興道の日露戦争従軍について質問が出た。

沢木興道聞き書き (講談社学術文庫 (639))

沢木興道聞き書き (講談社学術文庫 (639))

興道の従軍体験については、『沢木興道聞き書き―ある禅者の生涯』第三章に記述がある。

 それでも、日露戦争を通じて、わしなども腹一ぱい人殺しをしてきた。なかでも、この得利寺の戦いでは、敵を落とし穴に追い込んで、ねらい撃ちにして能率を上げたもので……(99頁)

淡々とした語り口にかえって壮絶さが伺える戦場描写よりも輪をかけてすごいのが、興道が戦地で負傷して三重に帰郷したら、養母は発狂して糞まみれで鎖につながれているわ、戦死したら金が入ってくるだろうとの算段で豪遊していた養父からは「あてが外れた」とばかりに怒鳴りこまれて金をせびられるわで、散々だったくだりだ……。戦場であろうが無かろうが、興道にとって娑婆はろくなものではなかったのだ。