お前が若者を語るな!

おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)

おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)

おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)
作者: 後藤 和智
出版社: 角川グループパブリッシング
発売日: 2008-09-10

後藤和智氏の最新作。一期に読了。ブラボー!
以下、主要目次。

まえがき―ー世代論を煽ってきた論者に退場を勧告する!
第一章「転向」した若者論者――若者論「で」一〇年が失われた
第二章ナショナリズム論を煽った論者――若者を食い物にする
第三章サブカルを使い捨てにした論者――インターネット論を食い物にする
第四章教育を実験道具にした論者――子供の人生を食い物にする
第五章世代論を「清算」する――ニヒリズムを打ち破る
あとがき――語り継ぐべき悲劇

以下、「まえがき」より

(前略)本書は、若者「論」の批判よりも若者「論者」への批判が中心となっている。そして若者「論者」に対して、彼らの言説が、十正的な視点から見ていかに間違っていたか、若者論にどのような悪影響をもたらしたか、二つの視点から検討を行う。
 私は若者論を「清算」し、それらの若者論によって見誤らされてきた日本の政策や言説を正したいと考えている。(中略)
 根底のテーマは、世代論の不毛さである。ここ一五年の間に、社会論のなかで世代論的な枠組みが強くなり、本来であれば経済的に、あるいは政策的に解決されるべき問題が、単なる世代間の「リアル」の対立として処理されるようになってしまった。この傾向が、逆に社会の問題を深刻化させた、と私は考えている。退場を宣告するのは、世代論を煽ってきた論者と同時に、世代論そのものだ。(後略)

俎上に挙げられるのは、宮台真司香山リカ三浦展東浩紀鈴木謙介寺脇研藤原和博など。感情的で非科学的で内輪向けで権力におもねった若者「論者」が持てはやされたことで社会の健全な発展がどれだけ阻害されてきたかとゆー歴史の教訓であり、現在進行形の病理の診断であり、有効な処方箋であり、空気とウソで塗り固められた「世代論」がどんなにしつこく蔓延ろうともその気になれば科学的な正攻法によって撃破できる、とゆー希望の書でもある。

だまされたと思って、第一章だけでも読んでみてほしい。たぶん止まらなくなると思うよ。

〜生きとし生けるものに悟りの光が現れますように〜