極楽寺殿御消息/ミャンマー異見

肌寒い日。リハビリと勉強を兼ねて、北条重時『極楽寺殿御消息』を書写するブログを作った。

鎌倉幕府の連署(執権の補佐)として活躍した北条重時(1198-1261)が出家後に子孫への教訓として記した書。自らの仏教信仰と、自立心に富んだ東国武士の気風を反映し、正直・奉公・慈悲・謙譲・平等といった普遍的な人間のあり方を説いたその思想は、江戸時代まで広く国民各層の道徳意識に影響を与えた。

今日はまえがきと第六条まで。あれこれ原文を探し回ったのだが、どうも東洋文庫にも入ってるみたいね。

家訓集 (東洋文庫)

家訓集 (東洋文庫)

僕が『極楽寺殿御消息』を知ったのは、山本七平の『日本人とは何か。』を読んだのがきっかけ。

日本人とは何か。―神話の世界から近代まで、その行動原理を探る (NON SELECT)

日本人とは何か。―神話の世界から近代まで、その行動原理を探る (NON SELECT)

今年のミッションとして、『極楽寺殿御消息』の知名度を少しでもあげることに努力したい。どこぞの版元さんで平易な現代語訳付きで出さないかしら。どこか胡散臭い「品格」ブームを越えて、日本人の良識の屋台骨を再確認するためには絶好のテキストだと思うけど。

ちなみにこちら↓の現代語訳はかなり意訳してるけどいい仕事です。

報道は取材がしにくいミャンマーサイクロン禍から、中国四川省の震災にドドッとシフトしている(チベット情勢も絡んでくる地域なので、確かに気になる。あと震災は日本人にとって他人ごとではない)が、今日もミャンマーについて。

いわゆる「新憲法ところで昨日、ヤンゴン日本語学校教師をしている邦人の方が、サイクロン報道について異を唱えている記事を読んだ。

私は軍政を擁護しているのではない。
民主化を早く実現してほしいと願っている立場だ。
しかし、日本をはじめ欧米のメディアの偏向報道はあまりに酷いと思う。
「軍政=悪」「軍政=酷い」が先にありきで、この線に沿ってしか記事を書こうとしない。
もっと事実を見て偏見のないフェアーな立場から記事を書いてほしいと思う。

なるほど、これもまた一つの尊重すべき異見だと思う。マスメディアの最初に結論ありきのニュース作り(欧米メディアの日本に関する報道もひどいのが多い)は「定評」あることだし、アジアに踏み込むと人間を「主従関係」でしか見なくなる、傲慢な欧米人への嫌悪感もある程度はうなずける。スリランカでも東南アジアでも、宗主国面して乗り込んで、札束で恫喝しながら自分たちの流儀を押し付ける欧米の一部NGO(人身売買まがいの孤児院経営や、援助をちらつかせてのキリスト教への改宗強要やら、ダークな話には事欠かない)が怨嗟の的であることは変わらない。ただ、そこで被害者意識に凝固しても、結局、現状は何ら改善されないのだが。……とりあえず僕は、ミャンマーについてはお坊さんから聞く情報を第一に信用することにしておく。

〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜