とめはねっ!など

以下、最近読んだマンガと本の備忘録。

とめはねっ! 3―鈴里高校書道部 (ヤングサンデーコミックス)

とめはねっ! 3―鈴里高校書道部 (ヤングサンデーコミックス)

河合克敏『とめはねっ! 』3巻 (ヤングサンデーコミックス)
湘南にある高校書道部を舞台にした青春マンガ。勉強になるうんちくがいっぱい、自然な形で盛り込まれていて、ストーリーも王道青春マンガで、そのバランス感覚が素晴らしい。文系マンガ読みは必読だろう……とゆーか、体育会系柔道美少女を主人公のひとりにすることで、書道は身体全体を使って表現する芸術だってことを説いているところも、肝かな。体力云々より、「姿勢正しく」ってこと。

その通り、結局、
勝利が目的でないことに
無我夢中で没頭するには、
楽しむ以上に有効な
手段はないのじゃ、

これは冥想について、スマナサーラ長老が常々仰っていることと似てる。「道の人」の言葉。
あと、作者は『護法少女ソワカちゃん』のファンらしい。気になった人は、『とめはねっ! 』3巻をすみずみ読んでみよう!
中原中也だろ、と言われればそれまでなんだけど、時期的には「ソワカちゃん」だと信じたいっ

天―天和通りの快男児 (18) (近代麻雀コミックス)

天―天和通りの快男児 (18) (近代麻雀コミックス)

福本伸行『天』18巻 (近代麻雀コミックス)
旧知のSさんがなんだかすごいぞと絶賛されていたので読んでみた。麻雀マンガなのに、終盤3巻は一度も麻雀シーンが出てこない(麻雀パイを使った他の勝負のシーンは出てくるが)という異様な展開。天才雀師赤木しげるの死をめぐる思想マンガになっている。

レッド(1) (イブニングKCDX)

レッド(1) (イブニングKCDX)

山本直樹『レッド』1巻 (KCデラックス)
連合赤軍事件を題材にした作品。今後死ぬ予定の登場人物に番号が振られ、ストーリーの節目節目でカウントダウンが表示される。結末の分かっている物語だが、テンションの高さで読ませる。

インド人の論理学―問答法から帰納法へ (中公新書)

インド人の論理学―問答法から帰納法へ (中公新書)

桂紹隆『インド人の論理学―問答法から帰納法へ』 (中公新書)
インド人の論理学については「著者はこういう図式で理解している」ということが解ったくらいだが、インド人の「論争学」のやっかいさはある程度頭に入った。文中に挟み込まれる、自慢になるのかどうかビミョーな留学体験&欧米学者との交友録披露のくだりは、意図が不明。何か暗号でも仕込んであるのだろうか?

武家家訓・遺訓集成

武家家訓・遺訓集成

小沢富夫『武家家訓・遺訓集成』(ぺりかん社
北条重時の「極楽寺殿御消息」を全文読みたかったので取り寄せた。明治以降、日本人の理想は「武士道」と喧伝されてきたが、その原点である鎌倉武士のエートスが綴られた「極楽寺殿御消息」は抹殺されてきた。この書を日本人を再発見すれば、もっと風通しよく自由に生きていけるのではないか、と思う。山本七平の炯眼には恐れ入った。

〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜