ありえないこと（増支部１集15）

クローバーフィールド観た。エンドロールまで楽しめた。怪獣はグエムル系なのでアレだし、ところどころご都合主義だけど、見せ方が上手。さんざん金かけてハンディカム映画撮るという発想がバカバカしくていい。車酔いしない怪獣映画好きの人なら必見かな。

怠惰な休日に反省しつつ、久々に写経。南伝からの意訳ですが。

ありえないこと（増支部１集15）

ビックらよ、正見を具えた人（聖者）が諸々の現象（諸行）を常だと思うことはありえない。でも、凡夫が諸々の現象（諸行）を常だと思うことはあるね。
ビックらよ、正見を具えた人（聖者）が諸々の現象（諸行）を楽だと思うことはありえない。でも、凡夫が諸々の現象（諸行）を楽だと思うことはあるね。
ビックらよ、正見を具えた人（聖者）が諸々の物事やら概念やら何やら（諸法）を自足した実体（我）だと思うことはありえない。でも、凡夫が諸々の物事やら概念やら何やら（諸法）を自足した実体（我）だと思うことはあるね。
ビックらよ、正見を具えた人（聖者）がお母ちゃんを殺すことはありえない。でも、凡夫がお母ちゃんを殺すことはあるね。
ビックらよ、正見を具えた人（聖者）がお父ちゃんを殺すことはありえない。でも、凡夫がお父ちゃんを殺すことはあるね。
ビックらよ、正見を具えた人（聖者）がアラカン（最高の聖者）を殺すことはありえない。でも、凡夫がアラカンを殺すことはあるね。
ビックらよ、正見を具えた人（聖者）が悪意をもってブッダ（如来）の体から血を流させることはありえない。でも、凡夫が悪意をもってブッダ（如来）の体から血を流させることはあるね。
ビックらよ、正見を具えた人（聖者）が修行者の集い（サンガ）を仲違いさせることはありえない。でも、凡夫が修行者の集い（サンガ）を仲違いさせることはあるね。
ビックらよ、正見を具えた人（聖者）がブッダ以外の師匠につくことはありえない。でも、凡夫がブッダ以外の師匠につくことはあるね。

（以下略）

9節目は釈尊の自信が溢れていて、仏教徒なら微笑んでサードゥ！と言いたくなるところ。この辺までは仏教の基本教義の解説になってるが、次節からは似たフォーマットを使ってアビダンマ的な説法が続く。ふつうの仏教学者なら、後からの付けたしと捨てるところだろう。でも仏教教義的には興味深いポイントだ。増支部にはそういう箇所が散見されるので、読み返すといつも発見がある。