山本七平の見た日本

星飛雄馬さんおススメの『戦後日本の論点山本七平の見た日本』(高澤秀次)を読んだ。

戦後日本の論点―山本七平の見た日本 (ちくま新書)

戦後日本の論点―山本七平の見た日本 (ちくま新書)

読み易くはないが、力作。第1章「日本近代の縮図」に、大逆事件で逮捕された「新宮グループ」大石誠之助の甥である西村伊作・真子の兄弟が、神戸で買ったイギリス製のオートバイ(当時日本に3台しかなかった?)に乗って、東海道を疾走して東京の叔父に面会に行くエピソードが載っている。このへん、熊野の集合的無意識の象徴として、南方熊楠先生にも同乗していただき、CG駆使して撮ったら、日本版「モーターサイクル・ダイアリー」じゃないけど、なかなかいい画になるんじゃないかなと思った。いまだ未完成の映画「熊楠・KUMAGUSU」のワンシーンに如何でしょうか?

あとは第6章「敗残兵の日本軍隊論」は重々しいけれど、まだ日本人が消化しきれていない問題を突きつけている気がした。

ところでこの著者、amazon.coi.jp で検索すると、「高澤秀次」「高沢秀次」でまったく違う結果が出てくる。ひどいことに別人あつかいだ。一応、高沢秀次になっているものはカタログ修正依頼を出しておいた。人名では新字体の「沢」を避けて「澤」を使う人が多い。検索結果にそのくらいの配慮はほしいものだ。

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