「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方

久々に自転車で学芸大へ。北沢川の緑道は美しい。
午後は精舎で出版の打ち合わせ。

「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方

「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方

V師からお借りしたカンポン・トーンブンヌム『「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方』。タイの体育教師として順風満帆の人生を送っていた著者は、水泳授業中の事故で全身麻痺状態に陥ってしまう。彼はテーラワーダ仏教の「気づきの瞑想」と出会って、新しい人生の扉を開く。著者に瞑想を指導したルアンポー・カムキエン師の手紙が素晴らしい。

 私はあなたの善き仲間になれることをとても嬉しく思います。
 修行に関して誤った方向に陥らないように導くお手伝いをいたしましょう。自分自身を見つめ、感じていく瞑想のやり方をお勧めします。たとえ体が不自由で横になっていたとしても修行は可能です。
 手のひらを動かしてひっくり返すときの感覚を感じて御覧なさい。知らず知らずに考え事が起こってきますが、その考えに惑わされず、体に戻るように。体がここにあることを意識して、よく注意して観るようにしましょう。これを「パーワナー(心の成長、修養、智慧の開発)」と呼びます。
 パーワナーとは、気づくことに努めることで、静けさを求めるものではありません。それによって自分自身に気づくことがよくできるようになれば、迷いが少なくなり、真理が明らかになっていくでしょう。
 私たちは、体と心の真実を観ることができるようになるでしょう。そのものとなるのではなく、観るものとなる。体や心に何が起ころうとも明確にそれを知る者になりましょう。
 ときに幸せが起こってもそれを追う人とならず、幸せをただ感じる人となる。苦しみが起こってきても、苦しんでしまう人とならずに苦しみを観る人になるようにしましょう。
 もし、飽きがきたり、息が詰まったり、腹が立ってくるような事態が起こったときでも、それに気づくことが大切です。それは心の状態なのですから。あなたがその状態そのものになる必要はありません。そうやって修行に励んで御覧なさい。

まさに金言です。「苦しむ人」から「苦しみを観る人」へ。これが本書を一貫するキーワードとなっています。編集は佼成出版のNさんかぁ。グッショブです。サンガの既刊、パユットー師『テーラワーダ仏教の実践』と併せて読んでいただくとタイ・テーラワーダ仏教の奥深さをより深く理解できると思います。

テーラワーダ仏教の実践―ブッダの教える自己開発

テーラワーダ仏教の実践―ブッダの教える自己開発

にほんブログ村 哲学ブログ 仏教へ

〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜