アフガンの改宗者をめぐる問題…Christiantodayは情報豊富

ムハンマド風刺画事件の余波も覚めやらぬなか、アフガニスタンで、キリスト教に改宗した男性が処刑されるとかされないとかで大騒ぎになってます。日本のマスコミはいまいち取り上げてないけど、スマナサーラ長老も25日の講演
で取り上げていて気になったので検索したら、クリスチャントゥデイとゆーサイトで詳しく報じていた。キリスト教は世界のマスメディアをほぼ牛耳ってるだけあって、情報も豊富。

こちらの記事では津波被害に見舞われたスリランカでは「キリスト教団体による救援活動でキリスト教徒と仏教徒の関係が以前と比べ親密になった」とゆー報道がされている。しかし「津波以前、仏教徒たちは、キリスト教徒が社会奉仕を通じて仏教徒を改宗させようとしているという懸念があった」とゆー文脈自体、日本ではほとんど報道されない(サイゾー連載で、山形浩生氏が紹介してたのを読んだくらいかな?)ので、「へぇ、よかったね」とゆーくらいの感想しか皆抱かないんじゃないかな?

実際には、キリスト教系NGOによる援助を餌にした改宗勧誘というのは、第三世界で全般的に見られる現象です。インドシナあたりではかなりえげつない話も聞きますよ。まぁ仏教徒の場合は「言うこと聞いたふりして援助だけもらっちゃえ」とゆー融通無碍な姿勢もとり得るのですが…。アフガンの例も、イスラムの野蛮ばかり印象付けられますけど、改宗した男性が欧米系のNGOにかかわっていたということで感情的な反発が起きている可能性もある…といったらうがちすぎでしょうか。

また、イスラム法が適用されるほどイスラム化された国家になると、改宗者は死刑!とゆーノリも、その社会の同調圧力の反映みたいな皮膚感覚に転じてるのかなぁ、と妄想します。イラクの人質バッシングの時に報じられた日本異質論が、日本人の「善意の大衆」にはぜんぜん届かなかったのと程度の差かな、という気もする。

しかし、マレーシアやバングラデシュ、インドネシアなど、イスラム国家で迫害にさらされながらも仏教の灯を守り続けている仏教徒たち(テーラワーダ仏教徒が多い)のことを考えると他人事とは思えない事態です。マレーシアの仏教徒が出す印刷物には「NOT FOR MUSLIM」と明記されています。イスラム教徒(マレー人)に他宗教の教えを紹介すると、「紹介した方」が非難され罰せられるのです。教えに反して他宗教を「学んだ」側が怒られるならまだ解りやすいんだけど。イスラム教の徹底した「他罰主義」にはげんなりさせられますが、先方の論理では「(他宗教という)麻薬を善良なるムスリムに売った者は罰せられるべき」ということになるのでしょう。

アフガニスタンの改宗者をめぐる問題でも、イスラム教聖職者の間で、「もし彼が西欧諸国に在住することが許されれば、他の人々も彼につきしたがってキリスト教徒になり、国外に移住するようになるだろう。我々は例を示さねばならない。彼は絞首刑にされなければならない」(アフガントップ聖職者、改宗者へ死刑要求)と改宗のなだれ現象を恐れる発言が出ていることも興味深いです。結局暴力的な連中ほど自信がないとゆーことでしょう。イスラム厳格主義者たちは、自分たちの「弱み」がどこにあるか、よく自覚しているのだと思います。