『八王子戒壇』設立へ

  • 本年四月、八王子市内に『戒壇』が設置されることが決まりました。戒壇設立が予定されている禅東院のブログにはさっそく関連記事「戒壇建立への第一歩」が…。禅東院の大石貴弘副住職がケイタイで撮った写真には、禅東院大石徹元住職とスマナサーラ長老の姿が写っています。大げさな話ではなく、「その時歴史が動いた」という瞬間です。禅東院の大石徹元住職はさまざまな先進的な試みで知られる豪傑僧侶で、友松円諦師の真理運動にも関係しておられたそうです。はじめてお会いして僕もすっかりファンになりました。
  • 戒壇とゆーと、仏教好きでも鑑真和上の苦難を連想するか、最澄の大乗戒壇騒動を思い出すか、くらいでしょうが、仏教サンガが毎月二回の布薩(ウポーサタ)法事や、比丘出家儀式を行うために不可欠な施設です。比丘サンガによって守られてきた仏教が後世に受け継がれてゆくためには、釈尊の定めた規定に基づく戒壇がなかればならないわけで、どんな仏像よりも寺院よりも聖遺物よりも大切な、仏教の死命を決するほどの尊い聖地なわけです。鑑真和上が命をかけて設立した戒壇は日本仏教の世俗化によってすでに有名無実と化しているし(大乗戒壇は論外です…)、ましてやテーラワーダ仏教の戒壇はこれまで日本に実質的には存在しなかったのです。今年四月に、スリランカ・キャンディの仏歯寺を守るシャム派大本山アスギリヤ精舎の貫主猊下ご一行が来日されるのを機に、戒壇が設立されるわけです。これで正真正銘、日本にテーラワーダ仏教が根を下ろすことになります。
  • 禅東院に戒壇が設立されるということは、日本仏教とテーラワーダ仏教の宗派や伝統を超えた共同作業です。これから八王子は本格的な仏教ルネッサンスの震源地になるのではないかと思います。現在、兵庫県宝塚市で着々と計画が進む関西戒壇&寺院建立とあわせて、今春、日本の東西に一挙に「仏教の心臓部」が動き出します。随喜して準備したいものです。

〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜