『死後はどうなるの?』反響ちらほら

死後はどうなるの?

死後はどうなるの?

スマナサーラ長老の新刊『死後はどうなるの?』の反響がちらほら出てきています。
以前からスマナサーラファンを任ずるラジオNIKKEIアジアステーション・清水さんのブログアジアな日々で取り上げられている他、いくつかのブログで読後感が掲載されています。また、新聞書評も業界紙ですが佛教タイムス9月29日号に掲載されました。いろんなテキストのなかでも唸らされたのは、amazon.co.jpに掲載されたソコツさんのカスタマーレビューです。

「死後」を合理的に考えたい人にとっておきの本。正しく幸福に生きる、という仏教徒の基本的な姿勢もわかりやすく学べます。
「輪廻転生」といっても、イマジナリ―なお話は極力ひかえられています。この世界には生命の多様な次元があって、その中で「動物」の次元や「神々」の次元を行き来することこそが、「輪廻」なのであります。生命は一瞬ごとに「死」んでいるので、いまここにこそ「輪廻」があり「転生」があります。
ちなみに「神々」というのは、現代社会の「常識」にとらわれている私たちには経験の困難な、しかし確かな独自のエネルギーに満ちた領域のことです。もっとも、ある種の聖職者たちの場合、修行などにより接触が可能な次元であるようです。ただし「神々」といっても、それはあくまでも、「生命」の形式のひとつです。これが重要。
私たちはその一部である「人間」を生きているわけですが、つぎに何を生きるのかは、私たちの現在の生き方の正しさ次第によってきます。とにかく道徳的にやっていきましょう、ということです。難しい話ではない。良いことをしていれば、自分のまわりに良いエネルギーが流れ流れて、これは当然のことですが、自分の未来を明るくしていきます。その明るさの果てに、行き着いた先に、生命のあらゆる次元からの解放があります。これはテーラヴァーダ仏教の理想なので、日本人にはちょっと抵抗感があったりもするのですが、とにかく、こういう形での救われ方が確実にあるのだなあ、と納得できました。

いいですねぇ。読みどころを付け加えれば、本書には輪廻を説く仏教サイドからの「靖国問題」への回答も掲載されています。第六章 善行為こそ幸福の鍵(p126〜)にずばり、「戦争に賛成する人は殺人と同じ罪を犯す」「戦って死んだら英霊になるのか?」とゆー見出しがありますので、その辺読んでみてください。百年一日どころか有史以来変わらない人間の愚かさに嘆息して一切智者の教えを胸に刻むか、激高して仏教を破壊してやろうと憎しみをたぎらすか、そりゃぁ読者の勝手です。迷信だの土着思想だの何だのいわれ放題の輪廻についても、お釈迦さまは希奇未曾有の教えを説かれたのだということは、賛否はともかくご理解いただけるんじゃないかと思います。

〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜