開票速報オフ

11日は天候も不安定でしたが早々に投票を済ませて、夜は友人と開票速報にかこつけて一席設けました。居間では午後8時から自民圧勝とのアナウンスが流れ、新聞各紙による事前の世論調査で報道された(誘導された?)以上の結果となりました。

僕は選挙区も比例も民主党に入れたんだけど、東京では小選挙区菅直人以外は全敗。幡ヶ谷エリアの選挙区の民主党現職も辛うじて比例で復活という次第でした。しかし得票数ではさほど差がないのに議席にこれだけ差が出てしまうというのは、小選挙区制の恐ろしさですね。

僕のまわりでも、これまで民主支持だったけれど「このままでは何一つ改革が進まないから」ということで、今回は自民に一票を投じたという人がいました。その人はテレビを主な情報源にしていて、小泉自民党のYES/NO戦略に乗ったようでした。「改革を止めるな」なるスローガンは単純なYES/NOに還元されて、言葉の内実を問おうとする人間の理性・批判精神を奪ってしまう。きっと、「尊皇攘夷」や「廃仏毀釈」近くは「聖戦完遂」のときもこんな感じだったのでしょう。

そいえば民主党は「政権とったら比例定数を80削減する」とか息巻いていましたが、そんなことをしたら、小泉首相のようなポピュリズム的な政治手法によって、現在よりさらに息苦しい、大政翼賛会的な状況が容易に現出してしまうでしょう。いきなり中選挙区に戻すのは難しいにせよ、重複立候補に一定の歯止めをかけたうえで、小選挙区300比例200くらいのバランスを維持しておかないと、本当にマズイのではないかと思いました。

選挙中、リベラル系の人気ブログ「世に倦む日々」で「共産党は小選挙区票を民主党に流せ−社民と共産は合同せよ」という論説が出されて話題になっていました。また、民主党を支援する官公労関係者による「きょうも歩く」の選挙後雑感でも、「民主+共産の半分の票があるだけで相当の選挙区で逆転できた。自民党を退治することができた。」と指摘されています。しかし、これは民主党が純粋な二大政党制にこだわって少数政党を目の敵にする政策を主張する限り難しいのではないかと思います(それにしても供託金没収にも関わらず復活当選したことで散々言われた社民党保坂展人が、こんどは自民党比例票の「おこぼれ」で当選したのには微笑を禁じえませんでした。なんだか知らんけどそういう業なのでしょうね)。

これは日本の外交にも言えることですが、自分から譲ることで大人の貫禄を見せる、という姿勢を今後の民主党には求めたいものです。若き共産党活動家のともえさんが訴えているように、高偏差値集団で根強い支持層のある共産党が、分相応の発言力を確保できるようなシステムを、民主党が「強者の余裕」として担保してあげないと、けっきょくみんな我を出して野党というパイの食い合いに終始してしまうでしょう。議席では惨敗したにせよ、小泉「改革」への異議申し立ては決して取るに足らない少数派ではなかったわけで、日本が新自由主義の跋扈する下品な国家に成り下がらないため、叡智を結集していくべきだと思います。

とりあえず、個人献金でもするかな。

ここからはホントに雑談。後出しで考えたことだけど、国民新党新党日本がそれぞれ「郵政新党」「新党改革」とでも名づけていれば、小泉首相も演説で「改革」とか「郵政」とか連呼できなくなって、その分政策論争できたんじゃないでしょうか。後からは何とでもいえますが…。あと選挙特番ではテレビ東京TX系)の政局再現ドラマは、なかなか熱が入っていて面白かったです。

〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜