スリランカ外相暗殺

スリランカ外相暗殺 大統領が非常事態宣言

残念なニュースです。タミル人過激派のLTTEは関与を否定しており予断は許されませんが、カディルガマル外相LTTE暗殺リストの上位に載っている方でした。LTTEはスリランカ政府要人の暗殺、シンハラ人に対する残虐なテロ・民族浄化を続けているだけではなく、自党の方針に反するタミル同胞に対しても容赦なく暗殺を行なう恐怖支配を行っています。LTTEは海外にも強い経済的・政治的なネットワークを持っており、英語での情報発信も盛んです。またヒンドゥー系とされるタミル人には実はキリスト教の影響が強いため、欧米では「キリスト教徒を弾圧する仏教徒」という十字軍的な図式が流通し、最近までLTTEのプロパガンダに乗った言論が支配的でした。欧米人のいうことなら調べずに鵜呑みにする日本のジャーナリストや研究者・政治家にも、心情的にLTTEに同情する人は少なくありません。

カディルガマル外相はクマラトゥンガ大統領の信頼も厚く、タミル系のキリスト教徒という立場を活かして欧米諸国にLTTEのテロ組織指定を働きかけ、LTTEの海外資金源を断ち切るために奔走していました。気骨のある愛国者でした。15日に国葬が執り行われます。スリランカの内外には、彼の死を契機にして内戦が再開することを望む勢力、人々が血を流すことで利益を得ようとする人々がいることも残念ながら事実のようです。スリランカの平和が保たれますようにと祈念いたします。

〜生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように〜