洗足池の精霊流し

家人とその友人といっしょに大田区の洗足池精霊流し(燈篭流し)に参加しました。いちおう東京出身なのに洗足池に行ったのは初めて。江戸っ子の恩人たる勝海舟にゆかりの名勝だけに、管理も素晴らしくゆきとどいていて、そのまま時代劇のロケに使えるんじゃないの?という風格ある公園でした。(社)洗足風致協会という団体がかなり創意工夫しながら一所懸命に守っているようです。池端にある日蓮宗妙福寺(日蓮上人が最後の旅で立ち寄ったお寺。袈裟懸けの松があります。洗足池という名前も日蓮上人にちなんでいるという説があるそうです)にて佐藤・金子両家の先祖供養にと燈籠を奉納。お寺の対岸あたりで待っていると、スピーカー越しにほどよくエコーの罹った激しい読経と祈願、南無妙法蓮華経の唱題、リズミカルな鳴り物がトランスミュージックのように響き渡ります。読経にあわせて時空がちょっとづつひずんでゆくような不思議な感覚が湧いてきました。午後七時半になると、池の各所に浮かん散らばっただボートや妙福寺の船着場から橙色にともった燈籠が次々と流され、水面に散らばっていきます。風に乗ってゆっくりと池を流れてゆく灯篭を地元の方々といっしょに眺めながら、借り物ではない伝統に連なっている充実感、満足感を得られました。先祖供養もできてよかった。また来年も参加したいな。

〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜