ダライ・ラマ法王来日と中国の盗賊王朝

中国での当局公認?の反日デモ(破壊行為)について色々論じられていますが、ダライ・ラマ14世来日との関連を指摘する人は少ないですね。もちろんそれだけではないんでしょうけど、共産党政府に都合の悪い人物を入国させたことへの嫌がらせ、という面もなきにしもあらずだと思います。

とにかく、ローマのただの爺さんの死を大騒ぎしてるのに比べてあまりにも報道されていないことに日本国民として恥を感じつつ、ここでも一言。ようこそ法王様。極東まではるばるおいでくださってありがとうございます。ついでに関連書籍もご紹介。

ダライ・ラマに恋して

ダライ・ラマに恋して

2005年3月29日、フジテレビでもテレビ版『銀座OL世界をゆく!3 ダライ・ラマに恋して』をやってましたね。翌日、この番組を見て感動したという人が精舎に来ました。前世を記憶してる少女の話や、亡命チベット人のさわやかな笑顔とか、チベットの仏教文化に強いシンパシーを感じたとゆー方は多いのではないでしょうか。僕も「生きとし生けるものの幸福を願う」と何の衒いもなく語る人々の姿に、ジーンとしつつ、仏教はこんな野蛮な世界で生き延びるには品がよすぎるのかなぁ…なんて悲観的なことも考えてしまったり。でも他に道はないのでやれるところまで淡々とやるのです。

中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)

中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)

中国については、極端な切り口で分かり易すぎる解説をする識者が多いんですが、本書もそのひとつ…とは言い切れない面白い本です。大盗賊が天下を取る、という中国の歴史パターンを指摘して実証して見せた本です。悠久の中国史から俯瞰すれば、中華人民共和国は典型的な「盗賊王朝」の成立過程を踏んでおり、毛沢東も「社会主義思想のイデオローグ」というよりは水滸伝なんかの伝統にのっとった盗賊の親玉といったほうが真実に近い、というのです。類書としては、中国革命を駆け抜けたアウトローたち―土匪と流〓の世界 (中公新書)があって、こちらも読みやすいです。何年か前にレビューを書きました。

〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜